カスタマーハラスメントに対する基本方針
練馬総合病院および練馬総合病院旭丘診療所は、2026年9月に「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を定めました。ご意見・ご要望は、医療をよりよくするための大切な声として、これまでどおり真摯に受け止めます。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
1 目的
公益財団法人東京都医療保健協会 練馬総合病院及び練馬総合病院旭丘診療所(以下、両施設を合わせて「当院」といいます。)は、地域のかかりつけ医機能を担う病院・診療所として、患者さんとご家族等に真摯に向き合い、安全で質の高い医療の提供に努めています。そのためには、職員が心身ともに安心して働ける環境整備が重要と考えています。
近年、一部の方から、職員の尊厳を傷つける言動や過度な要求が見られるようになりました。当院は、当院に関わるすべての方の人権を尊重するとともに、カスタマーハラスメントに対しては、組織として毅然とした態度で対応し、職員を保護します。これにより、職員が安心して医療を提供し、患者さんが安心して医療を受けられる環境を守るため、本方針を定めます。
2 対象
本方針は、患者さん、ご家族、付き添いの方、お見舞いの方、代理人の方、お取引先その他当院の事業に関係する方の言動を対象とします。また、当院の職員のほか、委託事業者の従業員、派遣職員、実習生など、当院で働くすべての人を保護の対象とします。
3 カスタマーハラスメントの定義
当院では、当院に関わる方からの言動のうち、職員が従事する医療の提供という業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものであって、職員の就業環境が害され、又は害されるおそれがあるものを、カスタマーハラスメントと定義します。
具体的には、次のいずれかに該当する言動が対象となります。
- 医療の提供という業務の性質に照らして相当性を欠く要求を、十分な説明の後も執拗に求め、又は強要するもの
- 要求の手段や態様が、社会通念上相当な範囲を超えるもの
ご意見・ご要望・苦情は、医療の質を高めるための大切な資源です。社会通念上相当な範囲で行われるお申し出はカスタマーハラスメントに当たりません。真摯に対応します。
4 カスタマーハラスメントに当たる行為の例
(1)相当性を欠く要求を執拗に求め、又は強要するもの
① 制度上又は医学的に応じられない要求(診断書等への事実に反する記載、診療の順番や病室の優先の強要等)
② 診療と関係のない要求、職員個人への謝罪の強要、処分・解雇等の不当な要求
③ 根拠のない金銭の要求、不当な損害賠償の要求
(2)手段や態様が相当な範囲を超えるもの
④ 身体的な攻撃(殴る、蹴る、噛みつく、物を投げつける等)
⑤ 精神的な攻撃(暴言、侮辱、人格を否定する発言、土下座の強要等)
⑥ 威圧的な言動(恫喝、大声での威嚇、脅迫、反社会的勢力等との関係を示唆する言動等)
⑦ 継続的、執拗又は拘束的な言動(十分な説明を尽くした後も同様の質問や要求を繰り返す行為、長時間の居座りや電話、退去を求めても応じない行為等)
⑧ 性的な言動(性的な発言、身体への不必要な接触等)
⑨ 差別的な言動(人種、性別、宗教、国籍、性的指向、性自認等に基づくもの)
⑩ 職員等を対象とした無断撮影・録音、個人情報の無断取得・公開等、プライバシーを侵害する行為
⑪ インターネット上の誹謗中傷(事実に反する情報の投稿、職員個人を特定した中傷、投稿をほのめかして要求を通そうとする行為等)
⑫ その他、これらに準ずる行為
5 当院の対応
当院は、カスタマーハラスメントに対し、次のとおり対応します。
- 職員からの相談・報告を受け付ける窓口を設置し、必要に応じて管理職、関係部署等が連携して対応します。
- 行為の内容、継続性、緊急性、他の患者さんや職員への影響等を総合的に判断し、複数名での対応、対応の時間や方法の限定など必要な措置を講じることがあります。
- 状況に応じ、録音、録画その他必要な記録を行います(個人情報は適切に取り扱います)。
- 事案について必要な事実確認と記録を行い、必要に応じて関係部署と共有するとともに、原因・背景を検証し、再発防止に努めます。当院の説明不足や接遇上の問題、患者さん・ご家族とのコミュニケーション不足等が問題の背景となっていないかについても併せて検証します。
- カスタマーハラスメントを受けた職員の安全確保及び心身の負担軽減に配慮し、必要に応じて担当者の変更、業務上の配慮、産業保健スタッフ等への相談その他必要な支援を行います。
- 職員がカスタマーハラスメントについて相談・報告したことを理由として、不利益な取扱いを行いません。
- 職員に対し、カスタマーハラスメントの理解及び対応力向上のための研修・教育を実施します。
- 悪質な場合には退去の要請、警告文の交付、当院の施設内への立入りをお断りすること、警察への通報、弁護士への相談、損害賠償請求その他必要な法的措置を講じることがあります。
対応は一人の職員に委ねることなく、病院全体として毅然と対応します。必要に応じて警察、弁護士その他の関係機関と連携します。
また、医療を継続するために必要な信頼関係が失われたと判断した場合には、緊急性、患者さんの病状、代替となる医療機関の有無その他の事情を総合的に考慮し、必要な医療が不当に途絶えることのないよう配慮した上で、新たな診療をお断りすることがあります。この考え方は、厚生労働省の通知(令和元年12月25日付医政発1225第4号「応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について」)が示す、患者の迷惑行為により診療の基礎となる信頼関係が失われた場合には新たな診療を行わないことが正当化され得るとの整理に基づくものです。
6 配慮を要する方への対応
認知症の症状、疾病、障害等に起因すると考えられる言動は、カスタマーハラスメントと区別し、医療・福祉の専門的観点から適切に対応します。
配慮が必要な方は、遠慮なくお申し出ください。過重な負担とならない範囲で合理的配慮の提供に努めます。障害、疾病、認知症その他の心身の状態等により配慮を必要とする方からの意思表示や合理的配慮の求め自体を、カスタマーハラスメントとして扱うことはありません。
7 方針の見直し
本方針は、運用状況や社会情勢の変化等を踏まえ、必要に応じて見直します。
皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
制定 2026年9月
公益財団法人東京都医療保健協会
練馬総合病院 病院長
練馬総合病院旭丘診療所 所長
