アクセス
電話

診療科・部門・センターのご紹介

ピロリ外来

ピロリ外来では、日本ヘリコバクター学会の「H. pylori感染の診断と治療のガイドライン」(2024年改定版)に基づき、ひとりひとりの状態にあわせた適切な診断と除菌治療を行っています。ピロリ 感染は胃炎を惹起し、胃癌の発症に関連しています。そのため、除菌治療は胃管予防の観点から極めて重要です。最新の知見に基づいた安全な治療を行い、地域の皆さまの将来的な健康リスクを少しでも低減することを目指しています。
ピロリ感染の感染診断を希望される方、人間ドックや企業検診でABC検診など受けてピロリ感染を指摘された方、除菌治療を希望される方、二次除菌不成功な方、抗生剤などの薬剤アレルギーを有する方、家族歴がありピロリ感染が心配な方など、ご不安を抱いている方は是非ご相談ください。ピロリ感染と関連した種々の胃疾患について説明します。

【完全予約制】

第2・第4火曜日
午後2時から午後3時半まで
ご予約は当院健康医学センターにて受け付けています。

(担当:ピロリ菌感染症認定医 栗原直人(日本ヘリコバクター学会理事))

主な対象疾患

ピロリ菌に関連し、除菌が推奨される以下の疾患を対象としています。

  • ピロリ菌感染症(慢性胃炎、萎縮性胃炎)
  • 胃・十二指腸潰瘍
  • 胃がん(予防および内視鏡治療後)
  • 胃MALTリンパ腫
  • 胃過形成ポリープ
  • 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

特に内視鏡検査はピロリ感染状態を分類できるために現感染の診断に有用な検査です。
今まで内視鏡検査をうけられた経験のない方も是非ご相談ください。

検査・除菌の概要

ピロリ菌は胃の中に生息する細菌です。

ピロリ菌が胃の中に感染して胃炎を起こします。長い年月をかけて持続的に感染し慢性的に炎症を起こすことが知られており、萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃癌、胃MALTリンパ腫、胃過形成ポリープなどの胃内病変や特発性血小板減少性紫斑病(ITP)などの胃外病変との関連性が指摘されています。ピロリ菌と胃癌については2008年8月に日本人による日本人の大規模試験が発表されました。ピロリ菌を除菌したグループと除菌しないグループに分けて観察したところ、除菌したグループは除菌しないグループより胃がんの発症が1/3に抑えられたというものでした。この報告により、ピロリ菌の除菌治療が胃がんの発生を有意に抑制することが示されました。このようにピロリ菌が影響を及ぼしている病気をピロリ菌感染症と考え、除菌治療が重要となります。(『ピロリ菌の診断と治療のガイドライン2009』より)

ピロリ菌が関連している疾患の中で、除菌治療の保険適応が認められているのは①胃・十二指腸潰瘍、②胃MALTリンパ腫、③特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、④早期胃癌に対する内視鏡治療後 です(H22年6月18日ピロリ菌除菌治療で使用する薬剤に②③④の疾患に対する適応が追加されました。)。これらの疾患は保険により診断・治療がおこなえます。⇒これらの疾患の方は一般外来を受診してください。

ガイドラインではピロリ菌感染症として除菌治療を推奨していますが、胃炎はピロリ菌の診断・ピロリ除菌治療の保険適応ではありません。保険適応でないピロリ感染症に対して、ピロリ外来では診断・治療を保険外、つまり自費でおこないます。混合診療は認められていませんので、ピロリ外来を受診される方は保険医療で治療を受けている方、また同一日に保険医療を受けた方は対象となりませんので、ご注意ください。

ピロリ菌の検査法、除菌治療については以下を参考にしてください。

ピロリ菌の除菌の成功率は一次除菌で約70-80%、二次除菌で80-90%と報告されています。ピロリ菌が除菌でできない場合は抗生剤に対する耐性菌が原因となることが知られています。除菌治療を行えばすべての方が除菌できるわけではありません。

ピロリ菌の除菌=胃癌にならない というわけではありません。長期cols-2間ピロリ菌が感染し、慢性萎縮性胃炎になっていると、ピロリ菌除菌後でも胃癌になることがあります。また、ピロリ菌除菌後は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発率は低下しますが、やはりすべて再発しないわけではありません。ピロリ菌除菌治療後も胃の定期検査を行うことが必要です。

ピロリ菌の検査、除菌についての説明をお聞きになり、ご承諾いただいた方はピロリ菌の有無の判定(検査)を行います。自費診療の費用の概算は、以下のpdfを参考にしてください。検査の希望、状況により費用は変わりますので、詳細につきましては担当医より説明をお聞きください。

ピロリ菌の判定結果で陽性の方は除菌治療を行います。薬剤代は別途に約9,000円程度かかります。
除菌治療約2カ月後にピロリ菌がいなくなったかを検査で判定します。(除菌判定はUBT検査や便中抗原で行います。こちらを参考にしてください。)

除菌が不成功の場合、2次除菌を行います。除菌治療についてはこちらを参考にしてください。
2次除菌治療2カ月後にピロリ菌がいなくなったかを検査で判定します。(除菌の判定はUBTや便中抗原で行います。詳細についてはこちらを参考にしてください。)
ピロリ菌がいなくなると、ピロリ外来での診療は終了します。

ひきつづき、胃癌検診などを希望されたり、今後の検査についてご質問がある場合は担当医にお尋ねください。

ピロリ菌の検査方法

内視鏡検査を行ってピロリ菌を検査する方法

培養法

内視鏡検査を行って胃粘膜を採取します。この胃粘膜を培養してピロリ菌の有無を判定します。結果が出るまでに約1週間かかります。培養した菌を用いて薬剤感受性試験(抗生剤の薬剤耐性を調べます。)を行うことができます。

病理検査(顕鏡法)

内視鏡検査で採取した胃粘膜を顕微鏡で観察し、ピロリ菌の有無を判定します。菌の量や背景胃粘膜の状態により偽陰性(ピロリ菌が胃内にいるのに陰性と判定すること)となる場合があります。

迅速ウレアーゼ検査(CLO)

採取した胃粘膜の中にピロリ菌が持っているウレアーゼがあるかを調べてピロリ菌の有無を判定する方法です。ウレアーゼにより尿素が分解してアンモニアになるとアルカリ性になり、指示薬が黄色からピンク色に変わります。

核酸増幅法(CLO)

胃液内のピロリ菌の遺伝子を核酸増幅法(PCR法)にて短時間に同定する方法です。生検ではなく胃液を利用すること、プロトンポンプインヒビターなどの薬剤の影響をうけないことなどの特徴があり、存在診断に有用である。

内視鏡検査を行わずにピロリ菌を判定する方法

尿素呼気試験(UBT)

胃内にウレアーゼがあるかを調べてピロリ菌の有無を判定する方法です。13Cというマークを付けてある尿素を服薬し、服薬前後の呼気を採取して呼気中に炭酸ガスとして基準値よりも多く13Cが含まれているかにより判定します。精度が高い検査です。

血中および尿中ピロリ抗体検査

ピロリ菌が感染していると体内でピロリ菌に対する抗体ができます。この抗体を血液中あるいは尿中で調べる方法です。現在および過去の感染の有無を調べることができます。

便中ピロリ菌抗原検査

糞便中のピロリ菌を調べる検査です。現在、ピロリ菌が感染しているかがわかります。

いずれの検査も100%正しいとは限りません。検査やその結果については担当医師と相談して判断しましょう。

ピロリ菌の除菌治療

除菌治療は一週間朝夕の2回、治療薬を内服することで行います。ペニシリン系薬剤に対するアレルギー反応がおこった経験がある方は治療前にご相談ください。また、除菌治療のお薬は説明通りに内服することが必要です。量を減らしたり、内服するのを忘れてしまったりすると、ピロリ菌を除菌できないだけでなく、使用した抗生剤に対する耐性菌を作ってしまう可能性もあります。

一次除菌治療

胃酸分泌を抑制するプロトンポンプ阻害剤(PPI)および2種類の抗生剤(アモキシシリン、クラリスロマイシン)を朝夕の2回、一週間内服します。約70-80%方が除菌成功します。

副作用は10-30%の方に軟便や下痢などの消化器症状が認められたり、アレルギー反応や味覚異常がおこることがあります。

二次除菌治療

胃酸分泌を抑制するプロトンポンプ阻害剤(PPI)および2種類の抗生剤(アモキシシリン、メトロニダゾール)を朝夕の2回、一週間内服します。約80-90%方が除菌成功します。

副作用は10-30%の方に軟便や下痢などの消化器症状が認められたり、アレルギー反応や味覚異常がおこることがあります。内服期間はアルコールを飲めませんので、飲酒機会がある週に除菌治療は行いません。担当医とよく相談してください。

患者さんへ大切なお願い

  • 内服治療は朝夕の2回、一週間です。きめられた量、予定どおりに内服しましょう。
  • お薬には副作用がある場合があります。内服中に異常を自覚した場合は担当医にご連絡ください。
  • 治療効果判定はとても大切です。ピロリ菌がいなくなったがどうかしっかり調べましょう。