練馬総合病院

研究

第30回日本泌尿器科学会学会賞 受賞(泌尿器科 髙松公晴)

この度、髙松公晴医師が第30回日本泌尿器科学会学会賞(臨床的部門)を2023年4月19日に受賞しました。

日本泌尿器科学会は会員数9,000名を誇る我が国最大の泌尿器科の学術団体です。学会賞は1年間に日本泌尿器科学会員が報告した論文から最も優秀な論文が基礎的部門、臨床的部門にて選考されます。題目は「Profiling the inhibitory receptors LAG-3, TIM-3, and TIGIT in renal cell carcinoma reveals malignancy」です。

髙松医師らは、次世代免疫チェックポイント分子として注目されるLAG-3, TIM-3, TIGITの発現を基にした腎細胞癌の新規分類を構築いたしました。また、3分子を同時染色すると3分子の発現が相互排他性を有する傾向が明らかになりました。新規分類における癌免疫微小環境を評価すると、LAG-3発現が優位な症例では疲弊的な免疫環境を有しており、予後も不良であることがわかりました。同様の評価を腎癌転移巣と、非淡明細胞型腎癌で行い、新規分類の再現性を確認しました。さらに、公開された公共データベースを用いた検討により、他癌種も今回の新規分類で分類可能なことが明らかになりました。最後に、個別の症例をLAG3、TIM-3、TIGIT優位群へ分類する臨床応用可能なワークフローを作成し、このワークフローが実装可能であることを別の淡明細胞型腎癌組織を用いて確認しました。癌免疫逃避機構は複数の癌種で共通していることが多く、免疫チェックポイント阻害剤は癌種横断的に有効性を示します。本研究の発展により、泌尿器科発の癌種横断的な新規分類が構築されることが期待されます。

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