第109回日本泌尿器科学会 総会賞受賞(泌尿器科 本郷周)
本郷周医師が第109回日本泌尿器科学会にて総会賞[前立腺癌:基礎研究部門]を受賞しました。
本郷医師の受賞は昨年に続いて2回目であり、前立腺癌:基礎研究部門の2年連続受賞は総会賞創設以来初の快挙です。題目は「難治性前立腺癌血中循環腫瘍細胞(CTC)のトランスクリプトーム解析と薬剤スクリーニング」で、難治性前立腺癌CTCの遺伝子発現解析と新規治療薬のスクリーニングを行っています。
抗癌剤耐性の前立腺癌は極めて予後不良であり、新規治療戦略の確立は喫緊の課題です。本郷医師は、抗癌剤耐性となった前立腺癌患者血液中のCTCにおける遺伝子発現を1細胞レベルで解析し、細胞増殖シグナルが抗癌剤耐性に関与することを発見しました。
さらに本郷医師は抗癌剤耐性克服薬のスクリーニングを行い、液体クロマトグラフ質量分析により候補薬剤投与時のシグナル伝達経路を網羅的に解析しました。その結果、癌以外の疾患でヒトへ臨床上使用可能な既存薬が、抗癌剤耐性前立腺癌特異的に細胞増殖シグナルを抑制することを発見しました。今後のさらなるメカニズム解析により臨床試験への橋渡しが期待されます。