練馬総合病院

臨床研修病院

産婦人科に興味のある先生へ

産婦人科の魅力は配偶子(精子や卵子)から老いに至るまで女性の全てのライフステージに関われることです。 産科、婦人科良性疾患、婦人科悪性腫瘍、不妊、内分泌異常や更年期など女性医学のsubspecialityも広く、必要とされる医学的知識や技術も超音波、分娩各種手技、内視鏡手術、腹式手術、腟式手術、腫瘍学、遺伝学、内分泌動態と多岐に亘ります。

また、患者さんへの高い説明能力、交渉能力を必要とされる機会も多いのが産婦人科の特徴です。外科的技術と内科的診断とコミュニケション能力を融合して最良の医療を提供するのはまさにartといえるでしょう。

ハードルは高いですが、超えた先に素晴らしい景色が見えてくるはずです。是非、一緒に学びましょう。

当院では常時、外来や病棟の診療及び手術の見学を受け付けています。ご関心のある医師や医学生の方は指導担当の白根までご連絡ください。

Tel:03-5988-2200  E-mail:ashirane@nerima-hosp.or.jp

婦人科腹腔鏡手術について

腹腔鏡下手術の利点は、開腹手術と比べて、①低侵襲で術後の疼痛が少なく回復が早い、②スコープで術野を拡大して観察できるので、より繊細な手術が可能、③出血量が少ない、④傷が小さく、美容上優れている、⑤術後腹腔内癒着が少ない、⑥腹腔内の深く狭い空間の操作が可能などの利点が挙げられます。しかし手術手技の習得に熟練を要します。

この原因には可動性を制限された長い鉗子操作が難しい、触感に乏しい、立体視認識に時間を要することなどがあります。しかし、これらを克服することで、格段に質の高い手術を実施することが可能になります。

婦人科腹腔鏡の技術の向上には、A 骨盤解剖の認識、 B 縫合結紮技術向上、C 癒着や止血を見極める目の養成が必要です。これらの理由について概説すると、

A:熟達者の手術は流れるようなリズムがあります。素早く大きく開放する腔と、細かく慎重に開く層かの判断には、ランドマークとしての層を外科解剖として認識することが要求されます。

B:最近は機器の進化による無結紮、無縫合の手術も増えてきています。

しかし、トラブルシューティングや再建手術の際にものを言うは、やはり縫合結紮です。日々の怠らぬ練習が必要です。

C:止めなくてはいけない出血と、そうでない出血があります。同様に、癒着にも強固か薄膜状であるか、粘調か乾性か、広範か局所かの違いがあります。この違いを見抜く目を養成し、性状にあった機器や鉗子の選択が必要です。

以下に、縫合結紮について当科で作成した動画および資料を紹介します。参考に活用して頂けたら幸いです。いくら早くても乱暴な縫合はいけません。日々の修練で綺麗な軌道を描き、美しさにこだわってください。美は真なりです。

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