顔面けいれんについて
顔面けいれんは顔の筋肉が勝手に収縮してピクピクしてしまう状態を指します。最初は眼の周囲の筋肉だけで済んでいることが多いですが、だんだん頬や口周りの筋肉も勝手に動くようになるケースがあります。発病した当初は休息を十分に取れば治ることも多いですが、病状が進行するにつれて、休んでもけいれんが止まらなくなってきます。
顔面けいれんの治療 (1→2→3の順で進むことが多いです)
1.お薬を飲む治療で、リボトリールという薬を内服することが多いです。このお薬を飲むと多くの患者さんはけいれんの改善を自覚されます。ただ、完全にはなかなか収まらないのと、人によっては眠気やふらつきが副作用で出てしまい、内服できないケースがあります。また、薬の効果が段々弱くなるケースもあります。
2.ボトックスという筋肉の収縮を止める注射を行います。人によっては顔面けいれんがピタッと止まることがあります。効果は3か月ほど持続することが多いです。打つ量が多すぎると筋肉が麻痺して目が閉じなくなったり、笑った時に表情が左右非対称になったりしますので、最初は少量で打ちます。ボトックスをご希望の患者さんは当院外来(担当、武田)で御相談ください。
3.最後に選択されるのが手術です。典型的には、顔面けいれんは脳の血管が顔面神経に接触して刺激することが原因です。ですので、手術で脳の血管を顔面神経から離してあげると、顔面けいれんは8-9割の確率で収まります。神経から離した脳の血管は近くの骨に糊で固定したり、骨に固定できない場合はテフロンという緩衝材を神経と血管の間に挟みます。手術の場合の入院期間は1週間程度を見込みます。