診療紹介
膝(ひざ)の痛みと
大勢の患者さんが膝の痛みで当院に受診します。中年期以降の患者さんでは、
変形性膝(ひざ)関節症(軟骨がすり減った状態)という病気のことが多いです。
痛くなってから何年もの時間が経っていたり、関節の痛み方がひどい場合は、注射しても2-3日しか効かない、薬も効かないこともしばしばです。
こういう場合は、人工関節手術や、骨切り手術で、痛みが大幅に改善できることが多いのです。
膝の人工関節手術とは…
♦ 全国で年間に10万人近くの人が受ける、着実で実績のある手術です。
♦ 痛んで変形した関節部を削り取り、金属製の人工関節を骨セメントと呼ばれる接着剤のようなもので骨に固定します。
♦ 手術後にリハビリをしながら、2-3週間ほど入院します。杖歩行で退院できます。
♦ 手術、入院の費用は、健康保険の制度を利用した場合、約9万円です(年収により増減します)。
膝の骨切り手術とは…
♦ 膝を人工関節に置き換えることなく、自分の膝を温存しながら、ひざの痛みを大幅に改善できるのが、ひざの骨切り手術です。
♦ 軽いO脚で、ひざの内側が痛い方は、手術によって軽いエックス脚になり、ひざ内側の痛みが大幅に改善します。
♦ X脚にするために使用した人工骨(β-TCPという素材です)は約1年で自分の骨に置き換わっていきます。
♦ 手術に必要な入院期間は、2-3週間です。手術後の4週間位は松葉杖を使用し、徐々に杖なしで歩くようにします。
♦ 術後3-4ヶ月からジョギングができるようになり、徐々に スポーツ復帰も可能となります。野球や卓球等を楽しんでいる方もいらっしゃいます。
♦ 入院、手術の費用は、健康保険の制度を利用した場合、約9万円です (年収により増減します)。
膝前十字靭帯(ACL)損傷
前十字靭帯(ACL)は、大腿骨と脛骨を結び、膝関節を安定させている靭帯です。バレーボールやバスケットボールなどスポーツのジャンプ動作の着地時や、サッカーやバドミントン等での切り返し動作時、格闘技やラグビーでの接触時に損傷することがあります。また、日常生活においても、転倒や交通事故などで受傷する場合もあります。
ACL損傷の際に、半月板や内側・外側側副靭帯といった、膝の機能にとって重要な組織を同時に損傷することもあります。詳細な診察やMRIなどの検査を行い、診断、治療方針を決定します。
ACL損傷があり、膝の不安定感を残したままスポーツや仕事を続けることで、半月板や軟骨にさらなる損傷を生じ、将来的な変形性膝関節症へ進行することが知られています。そのため、ACL再建手術による機能回復は、年齢やスポーツレベルを問わず、標準的な治療法となっています。
当院では、広く行なわれている膝屈筋腱を用いた二重束再建術を行っています。半月板縫合など合併損傷に対する手術が必要な場合は同時に行います。手術翌日からリハビリテーションを開始し、入院は1週間前後を目安としています。手術後6ヶ月からスポーツを開始し、7~8ヶ月でスポーツへの完全復帰を目指しています。
膝半月板損傷
半月板は膝関節の内側・外側にある三日月型をした軟骨様の組織で、緩衝材(クッション)としての役割を果たしています。半月板が損傷すると、膝の曲げ伸ばしや方向転換時に痛みやひっかかりを起こす場合があります。重症になると、半月板が挟まって膝が屈伸できなくなる「ロッキング(嵌頓)」を起こします。
半月板損傷は、交通事故や運動による外傷や、加齢に伴う変性により生じる場合があります。
診察やMRI検査を行い、診断、治療方針を決定します。
手術は関節鏡を使った鏡視下手術を行います。半月板縫合術(切れた部分を糸で縫い合わせて癒合させる方法)、半月板切除術(損傷した部分が邪魔にならないよう切り取る方法)を状況に応じて選択しています。
令和元年10月、より受診しやすい夕方の時間帯に、
スポーツ整形外科外来を開始いたしました。
様々なスポーツアクティビティには、overuse(使いすぎ)による障害やアクシデントに伴う外傷がつきものです。学校の部活動や、大学生や社会人のサークル活動でのスポーツアクティビティでも、スポーツ外傷や障害は多く発生していますが、特に生徒さん、学生さんは、日中の外来受診の為には授業や講義を欠席しなければならず、受診のハードルが高いスケジュール設定でした。
当院では10月よりスポーツ医学センターを開設し、その整形分野診療として水曜日の夕方にスポーツ整形外科外来を開始いたしました。生徒さん、学生さんが学校の授業を休まずに受診しやすい時間帯となっておりますので、手術の相談をしたいけど、学校は休みたくないといったニーズへも対応できる時間設定となっております。
≪練馬総合病院 スポーツ整形外科外来≫
毎週水曜日 15:30~、16:00~、16:30~ 診療担当医師:島谷 雅之
(要予約 受診当日も予約可能です。TEL 03-5988-2290)
-
- 詳細はこちら
脊椎変性疾患に対する手術療法を高い質で提供します
高齢化社会が進む今日、加齢による変化(変性)で運動器に関連する痛みで困っている患者さんが増えてきています。脊椎疾患は他の運動器障害に比べ腰痛や四肢の痛みやしびれが強く、生活動作とその質が著しく損なわれることがあります。
薬や運動療法で改善する場合もありますが、時に手術でしか改善が見込めない場合もあり、専門医の診察が必要です。
当院では脊椎の変性疾患(脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、腰椎椎間板ヘルニアなど)に対する手術療法を、脊椎外科専門医により高い質で提供する体制を整えております。
- 平井 高志医師(非常勤、東京医科歯科大学整形外科学講座)
:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医、日本腰痛学会評議員 - 湯浅 将人医師(非常勤、東京医科歯科大学整形外科学講座)
:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医
※水曜日午後の脊椎専門外来は、術前、術後の患者さんの診療枠となっております。脊椎の診療をご希望の方、御紹介状をお持ちの方は、まず月曜、木曜、金曜午前外来の脊椎担当医の受診をお願いいたします。
医師紹介
医師名 | 役職 | 専門分野 |
---|---|---|
島谷 雅之(シマヤ マサユキ) | 科長 | 膝関節、スポーツ整形外科、膝の骨切り手術、人工関節、 日本整形外科学会スポーツ認定医 |
魚水 麻里(ウオミズ マリ) | 医員 | 膝、肩、スポーツ 日本スポーツ協会公認スポーツドクター Immediate Care in Sports Course Level 3 |
酒枝 健太郎(サカエダ ケンタロウ) | 医員 | 整形外科一般 |
梶原 健嗣(カジワラ ケンジ) | 医員 | 整形外科一般 |
医師詳細紹介

島谷 雅之(シマヤ マサユキ)
科長
経歴 | 2001年 東京医科歯科大学卒業 2001年 東京医科歯科大学附属病院、癌研究会附属病院 2003年 取手協同病院 整形外科 2004年 三島社会保険病院 2005年 佐久総合病院 2006年 東京医科歯科大学 大学院 2010年 川口工業総合病院 2012年 横浜市立みなと赤十字病院 2014年 川口工業総合病院 2016年 草加市立病院 2017年 国立病院機構 災害医療センター 2019年 4月より現職 |
---|---|
専門分野 | 膝関節、スポーツ整形外科、膝の骨切り手術、人工関節、 日本整形外科学会スポーツ認定医 |
所属学会等 | 日本整形外科学会 日本整形外科スポーツ医学会 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会 日本人工関節学会 |

魚水 麻里(ウオミズ マリ)
医員
経歴 | 2008年 東京医科歯科大学卒業 2008年 東京医科歯科大学にて初期研修 2010年 東京医科歯科大学 整形外科入局 複数の関連病院にて後期研修 2014年 東京医科歯科大学大学院 運動器外科学講座 2018年 横浜市立みなと赤十字病院 2019年 川口工業総合病院 2020年 練馬総合病院 整形外科 |
---|---|
専門分野 | 膝、肩、スポーツ 日本スポーツ協会公認スポーツドクター Immediate Care in Sports Course Level 3 |
所属学会等 | 日本整形外科学会 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会 日本肩関節学会 日本臨床スポーツ医学会 日本人工関節学会 浦和レッズレディースチームドクター セコムラガッツチームドクター |
医師より一言 | 地域の皆様の健康に貢献できるよう頑張ります。 |

酒枝 健太郎(サカエダ ケンタロウ)
医員
経歴 | 2014年 杏林大学医学部医学科 卒業 2014年 埼玉石心会病院 初期研修医 2016年 東京医科歯科大学 整形外科 2016年 がん研究会有明病院 整形外科 2017年 同愛記念病院 整形外科 2018年 佐久医療センター 整形外科 2019年 済生会川口総合病院 整形外科 2020年 練馬総合病院 整形外科 |
---|---|
専門分野 | 整形外科一般 |
所属学会等 | 日本整形外科学会 日本手外科学会 日本脊椎脊髄病学会 日本整形外科スポーツ医学会 関東整形災害外科学会 東日本整形災害外科学会 |

梶原 健嗣(カジワラ ケンジ)
医員
経歴 | 2017年 北里大学医学部医学科 卒業 2017年 東京医科歯科大学医学部附属病院 初期研修医 2019年 日産厚生会玉川病院 整形外科 2020年 練馬総合病院 整形外科 |
---|---|
専門分野 | 整形外科一般 |
所属学会等 | 日本整形外科学会 関東整形災害外科学会 東日本整形災害外科学会 |