検体検査
1.生化学検査
生化学自動分析装置を用いて血清中(血液の無形成分)に含まれる酵素、蛋白質、脂質、電解質などを化学的に測定します。肝機能、腎機能、脂質代謝、糖尿病などの診断に有用です。
2.免疫学的検査
免疫自動分析装置を用いて血清中に含まれている腫瘍マーカー、各種ホルモン、ウィルス抗体など微量な物質を免疫反応(抗原抗体反応)により測定します。甲状腺機能、各種の癌、肝炎などの感染症の診断に有用です。
3.血液学的検査
自動血球分析装置により、血液中の赤血球数・白血球数・血小板数などの有形成分、ヘモグロビン濃度などを調べます。
また、自動凝固検査装置により、血液凝固機能を調べます。貧血や白血病などの診断、ワーファリンなどの抗血栓薬療法の効果判定や、肺塞栓症などの診断に有用です。
4.一般検査
尿をはじめ、便、髄液・腹水などの体腔液、関節液など様々な検体を対象とした検査を行っています。
尿定性検査は試験紙を用いて行う検査で、尿中の糖、タンパク、白血球、赤血球、細菌などの異常の有無を調べます。また、尿沈渣検査は尿を遠心分離し沈殿した白血球、赤血球、結晶、細菌やその他の細胞などを顕微鏡で観察し、数や有無を調べます。腎臓病や腫瘍、膀胱炎など尿路感染症を診断・評価に欠かせません。
便潜血検査は便に混じった血液を検出し、消化管に出血がないかを調べる検査です。胃潰瘍や大腸癌など、腸管から出血する病気の診断に役立ちます。
5.その他・迅速検査
インフルエンザウイルス、溶連菌(溶血連鎖球菌)感染症、肺炎球菌などの感染を確かめるための迅速検査も行っています。
6.血液型・輸血関連検査
血液型検査は出血や貧血などにより輸血が必要になった際や手術に際して実施します。
ABO式血液型・Rh(D)型を判定します。輸血の際は重篤な副作用を避けるために、原則、患者さんと同じ血液型の血液製剤を輸血する必要があります。
患者さんと同じABO式血液型とRh(D)の血液製剤を輸血しても、副作用がでてしまう事があります。不規則性抗体スクリーニング検査はその原因となる赤血球上の抗原を攻撃してしまう抗体(これを不規則抗体とよびます)を調べる検査で、赤血球輸血を行う際は原則、実施します。輸血が必要な場合にはこの不規則抗体と反応しない赤血球製剤を準備します。
交差適合試験は輸血前に、試験管内で患者さんの血液と血液製剤を反応させ、患者さんの持つ抗体が血液製剤と反応して凝集や溶血などが起きないかを確認する検査です。輸血を行う場合は交差適合試験で異常な反応を認めない血液製剤(適合血)が使用されます。