練馬総合病院内視鏡センター
2006年6月内視鏡室を内視鏡センターと改名し、2007年1月新病院で内視鏡センターとして充実した医療を開始しました。
「患者、地域の要望に応えられる内視鏡センターの設立」を目的に、患者さんが安心して検査がうけられるように、また、地域の医療機関の先生方が安心して患者さんを紹介できるように心がけてきました。
内視鏡検査を受ける前に漠然とした不安をいだき、検査はとてもつらいと考えている患者さんは多いと思います。 当内視鏡センターの特徴は安全かつ苦痛の少ない内視鏡検査を効率よく実現できるようにつとめております。
自動患者監視装置を設置し、血圧、脈拍、血中酸素濃度など患者さんのモニタリングを行い、安全で楽な内視鏡検査を提供しています。 上部消化管内視鏡検査の施行中は患者用モニターを通じてご自身の胃の中を見ることも可能です。
また、電子カルテと直結した画像ファイリングシステムを導入しており、検査結果を即時確認することも、過去の所見と比較することも可能です。
2012年4月からは、地域の医療機関との医療情報の共有、予約システムを目的とした「練馬医療連携ネットワーク」を開始しました。 本システムを導入していただいている医療機関では、患者さんの同意を得て、検査終了後すぐに当院の画像データを閲覧できます。
このような取り組みにより紹介件数(図1)、内視鏡件数(図2)は年々増加しています。
今後も、患者さんや地域の要望にこたえられるように、当院で検査を受けられた患者さんが再び当院での検査を希望されますように職員一同、細心の注意を払い検査を進めています。
図1 紹介件数
図2 内視鏡件数
検査の種類
上部消化管内視鏡検査
食道、胃、十二指腸疾患に対する内視鏡診断とともに早期胃癌の内視鏡的切除を行っています。また、内視鏡的胃瘻造設術なども行っています
下部消化管内視鏡検査
近年、大腸疾患は増加傾向にあります。大腸腺腫症、早期大腸癌の診断および内視鏡的治療を行っています。
胆膵内視鏡検査
総胆管結石症に対する内視鏡治療、胆道系悪性腫瘍による閉塞性黄疸に対する内視鏡治療を積極的に行っています。
気管支鏡検査
患者さんが増加している肺癌を中心に診断を行っています。
ピロリ検査
ピロリ検査についてはこちら
内視鏡センターの特徴
当内視鏡センターは検査室3室およびX線透視室が併設してあります。
内視鏡検査システムはオリンパス社製3台、フジノン社製1台導入しました。オリンパス社内視鏡検査システムでは内視鏡はGIF-Q260シリーズおよびハイビジョン対応のGIF-H260、経鼻内視鏡可能な極細スコープであるGIF-XP260N、粘膜切除術が可能な2チャンネル対応GIF-2TQ260M、下部消化管内視鏡検査用はCF-Q260、 PCF-260を導入しました。NBI(Narrow Band Imaging: 狭帯域光観察)が可能なLucena CV-260SLシステムも導入しています。2013年12月からGIF-Q290シリーズを導入し、より質の高い検査ができるようになりました。従来のハイビジョン画像と比較して、拡大機能やピント合わせの機能によりさらに高画質となりました。一方、フジノン社製内視鏡システムは内視鏡センター開設時からSapientiaシステムと経鼻内視鏡用スコープEG-530Nを導入しました。これは新技術であるFICE (FUJI Intelligent Color Enhancement)に対応しており、色の色調を変更して検査することが可能となりました。H24年からは詳細な病変が観察できるように拡大機能を有する経口内視鏡スコープ EG-590WR2 、通常の上部 EG-590WR2 、下部内視鏡スコープ EC-590ZP を導入しました。
これらの新システムおよびファイバーの導入により、患者さんに応じて適切なファイバーを選択することが可能となりました。過去の内視鏡検査の経験が不幸にも非常につらいものであった場合、自覚症状を有していても内視鏡検査を拒否することにより早期発見の機会を失い、病気が進行する場合もありえます。病変部位を詳細に検討する場合に、ハイビジョン画像は極めて奇麗な画像であり、さらに色調変化を応用したNBIやFICEは、色素内視鏡検査に類似した効果をボタン一つで可能にした点で画期的です。さらにボタン一つで病変部を拡大し、異常な上皮構造や粘膜下の毛細血管の異常についても詳細に検討することが可能になりました。これらの検査機器はそれぞれの長所、短所を熟知した上で選択できるため、地域、患者のニーズにこたえることができる内視鏡センターとなっています。
経鼻内視鏡検査について
経口から上部消化管内視鏡検査を施行した時に咽頭反射が強く挿入困難により検査を断念された方もおられると思いますが、鼻から極細径内視鏡ができるようになり、この嘔吐反射が極めて少なくなりました。太さは5-6mmです。
ほとんどの方は経鼻内視鏡検査を受けることは可能ですが、鼻腔はヒトにより狭くなっていたり、アレルギーの時期には鼻粘膜にむくみがある場合はこの極細径内視鏡が鼻腔を通過できないこともあり、経鼻内視鏡検査をうけることはできません。
当院で内視鏡検査を受ける場合経鼻か経口かを選択できますので、ご不明な点は担当医や内視鏡看護師・技師にお尋ねください。
内視鏡の洗浄・消毒について
当院内視鏡センターでは内視鏡検査の安全性を高める上で、内視鏡の洗浄・消毒についても重点を置いています。 日本消化器内視鏡学会および日本消化器内視鏡技師会では内視鏡洗浄・消毒に関するガイドラインを示しています。当院ではこのガイドラインを参考にして内視鏡消毒・洗浄に関するマニュアルを作成し、オリンパス社内視鏡洗浄消毒装置(OER2)を2台導入していました。2013年には2台の内視鏡機器を一回で洗浄できる洗浄消毒装置(OER-3)を2台に変更しました。内視鏡件数の増加にともない、安全に内視鏡洗浄できるように気をくばっています。
内視鏡検査希望される方へ
当院での内視鏡検査を希望される方は、外科および内科を受診し検査の予約をすることが可能です。ご不明な点は外来受診時担当医師にご質問ください。
また、ピロリ菌の除菌治療は従来の胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、血小板減少性紫斑病、胃癌内視鏡治療後に加えて、内視鏡検査においてピロリ菌感染が疑われる胃炎に対して適応が拡大されました。ピロリ菌に関心が強くなり、当院でのピロリ外来受診者やピロリ菌検査件数は増加しています。ピロリ菌に関しての疑問、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、あるいは胃癌などがご心配な方は、
内視鏡センター長兼外科医師:栗原直人
(日本ヘリコバクター学会評議員、外科学会指導医、内視鏡学会指導医、消化器病学会指導医、消化器外科学会指導医)
(外来診療日:火曜日午前、木曜日午前、金曜日午前、ピロリ外来:第2、第4火曜日午後2時)
にご相談ください。
内視鏡担当表
上部消化管内視鏡検査
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
---|---|---|---|---|---|
午前 | 松田 | 德山 | 栗原 | 浅田 | 池田 |
森 | 松岡 | 柴山 | 佐々木・加藤 |
下部消化管内視鏡検査
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
---|---|---|---|---|---|
午後 | 德山 | 栗原 | 栗原 | 浅田 | 池田 |
德山・浅田 | 松岡 | 柴山 | 佐々木 |
胆膵内視鏡検査(ERCP)
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
---|---|---|---|---|---|
午前・午後 | 松田 | 松田 | 松田 | 松田 | 松田 |
医療連携に対する取り組み
当センターでは地域連携として、診療所あるいは病院の先生方からご依頼された患者さんの事前登録による上部内視鏡検査の予約、当日検査、結果のご報告を行っています。H24年4月から「練馬医療連携ネットワーク」を構築しました。内視鏡検査の予約、検査結果の閲覧などがインターネットを利用して可能となりました。ご質問、ご希望がございましたら、当院地域連携室へご連絡ください。
内視鏡センターの取り組み・今後
安心、安全、安楽な内視鏡検査、正確な診断・最先端の機器および技術の提供により地域の患者さんのニーズに応えられる内視鏡センターの運営を継続します。

内視鏡センター:GIコラム
練馬総合病院内視鏡センター開設に伴い、消化器疾患や内視鏡に関連したコラムを開設いたします。病気のこと、内視鏡に関連したこと、最近の話題などをわかりやすく説明します。ご愛読いただければ幸いです。
- 第1回:どんな時に内視鏡検査(胃カメラ:胃ファイバースコープ)が必要ですか?
- 第2回:どんな時に内視鏡検査(大腸カメラ:大腸ファイバー:コロンファイバー)が必要ですか?
- 第3回:胃癌について教えてください!!
- 第4回:便秘や下痢はどうしておこるのですか?どんな時は病院に行った方がいいですか?
- 第5回:ピロリ菌ってどんな菌?ピロリ菌という名前を聞いた事がありますか?
- 第6回:鼻から胃カメラ(胃内視鏡検査、上部消化管内視鏡検査)ができるって本当?
- 第7回:便潜血反応陽性ってどういうことですか?
- 第8回:内視鏡検査や治療が有効な黄疸について教えて下さい!!
- 第9回:胸やけを自覚したことがありますか?(-胃食道逆流症についての解説-)
- 第10回:~胆石症~