練馬総合病院

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結石センターについて

当結石センターは2012年4月に開設され、10年目を迎えます。センター開設以前より、軟性尿管鏡を用いた尿路結石治療(f-TUL)をいち早く導入するなど、当院は尿路結石治療を積極的に手掛けてまいりました。現在に至るまで、練馬区内外の病院・診療所から、結石治療のために多くの患者さんを紹介いただき、また、尿路結石症が疑われる患者さんの救急要請にも、積極的に応じてまいりました。当院のもっとも得意とする疾患の一つが、尿路結石症です。

尿路結石症は良性疾患であり、癌などの悪性疾患と違って一般的には生命にかかわるものではありません。しかし、結石による疝痛発作は時として耐え難いものであり、また腎機能障害を呈している場合や感染を合併している場合は緊急での対応が必要となります。さらに、無症状の尿路結石が不可逆的な腎機能障害をきたすこともあるため、専門医の診察を受けることが肝要です。

現在の尿路結石治療の基本は、低侵襲治療です。当院での手術治療は、ESWL(体外衝撃波結石破砕術)とTUL(経尿道的尿管結石破砕術)を2つの柱にしています(治療の詳細は、泌尿器科のページをご参照ください)。どちらに対しても、こだわりを持って導入した高品質の器械を使用し、妥協のない手術を行っています。ESWLとTULという2つの治療手段を持つことで、結石の位置・大きさはもちろん、患者さんの状態・ご希望等を総合的に加味し、最適な治療法を選択することを可能にしています。また、腎機能低下や感染合併がある場合や、鎮痛が得られない疝痛発作などは、麻酔科・手術室と速やかに連携し、尿管ステント留置などの緊急治療を行います。

尿路結石症は、食生活の欧米化や人口構成の高齢化などの影響で、今後ますます増加すると考えられています。当センターは、総合病院である強みを生かした、柔軟な治療選択肢を提示していきます。たとえば、合併疾患の多い高齢の患者さんでも、総合病院であるため、安心して治療を受けていただけます。また、尿路結石症は再発の多い疾患ですが、結石成分に応じた再発予防(薬物治療や生活指導)や基礎疾患の治療は、内科医師とも連携して行っています。

引き続き、地域の尿路結石治療に貢献するべく、一同で精進してまいります。なにとぞよろしくお願いいたします。

結石センター・泌尿器科科長 江﨑太佑

 

 

腎・尿管結石の手術件数(TUL・ESWL)

2016 2017 2018 2019 2020 2021
経尿道的尿管結石破砕術(TUL) 88 120 155 114 99 134
体外衝撃波結石破砕術(ESWL) 67 55 47 38 94 153

 

当院のESWLの治療成績

現在のストルツメディカル社製ESWL装置を導入(2012年5月)後の治療成績です。
2012年5月から2020年6月の期間に、のべ794例のESWL治療を行いました。内訳は、男性616例、女性178例、年齢は19歳から90歳まで(中央値50歳)、腎結石389例、尿管結石394例でした。

初回治療例における治療成績は、以下の表のとおりです。

サンゴ状結石4例と治療結果が確認できない31例を除外した、611例の成績を集計しました。1回の治療で結石が消失するか、追加治療の必要のない状態となったもの(大きさは4mm以下)を治療成功と判定しています。結石の部位は、腎結石は腎盂腎杯結石と腎盂尿管移行部結石に、尿管結石は上部・中部・下部に分類することが一般的です。

ESWLの効果は結石の部位や大きさに影響を受けることが知られており、腎盂腎杯結石のうちでも下腎杯の結石や、中部・下部尿管結石はESWLが苦手とする位置です。当院の成績でも、結石の部位・大きさによってESWLの施行数・成功率に差がみられるのはそのためです。

 

 

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