練馬総合病院

診療科・部門一覧

■泌尿器科の診療について

1.泌尿器、生殖器って? ~尿路~
2.泌尿器科の主な病気
3.症状から疑う病気
4.泌尿器科の検査
5.泌尿器科で行う治療
6.前立腺癌 早期発見のために・・・

1.泌尿器、生殖器

尿路*図をクリックすると別画面で大きく開きます。

男性生殖器 女性生殖器

2.泌尿器科の主な病気

A)感染・炎症

  • 腎盂腎炎(じんうじんえん)、膀胱炎、尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎(副睾丸炎)
  • 性感染症(淋疾、クラミジア)

B) 尿路結石症

  • 腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石

C) 腫瘍

  • 腎がん、腎血管脂肪腫
  • 腎盂(じんう)がん、尿管がん
  • 副腎腫瘍
  • 膀胱がん
  • 陰茎がん
  • 前立腺がん
  • 睾丸腫瘍
  • 尿道カルンクラ

D) 尿路通過障害

  • 水腎症
  • 尿管狭窄
  • 神経因性膀胱、過活動膀胱
  • 前立腺肥大症
  • 尿道狭窄
  • 腎不全
  • 腎嚢胞
  • 精索静脈瘤、精液流
  • 陰嚢水腫
  • 膀胱脱、尿道脱
  • 外傷(腎外傷、腎盂・尿管外傷、膀胱外傷、尿道外傷、陰茎・睾丸の外傷)等々。

3.症状から疑う病気

  • 尿をすると痛い。(排尿痛)
    排尿時に尿道や膀胱部(下腹部)に疼痛、灼熱感といった症状です。尿路・性感染症が原因に なることが最も多く、血尿を伴うこともよくあります。急性/慢性尿道炎、急性/慢性膀胱炎、 間質性膀胱炎、尿道結石、膀胱・尿管結石、膀胱周囲疾患・炎症、膀胱結核、前立腺炎など あります。膀胱癌に併発した膀胱炎などもあります。
  • 血尿、尿に黒い塊がでる。
    血尿の原因には様々な疾患があります。出血などで尿の中に血液が含まれる状態で、先の解剖であるように尿路・生殖器からの出血と思われます。主な原因疾患は、尿路結石、尿路感染症、腫瘍などです。尿管結石は強い疼痛を伴うことが多いですし、腎結石では痛みがなくても血尿/尿潜血陽性になることがあります。重症尿路感染症の場合は肉眼的血尿をともないます。最も恐い疾患は悪性腫瘍(癌)です。通常、痛みを伴うことが少なく、継続的に血尿がでるのではなく、何日かごとに出現することが多い様です。痛みもなく、数回の排尿で血尿が消えるので放置され、発見された時には腫瘍が大きくなっていることがあります。一回でも血尿がでた場合は、泌尿器科疾患の検索が必要です。
  • 下着に血がつく。
    血尿の項目と同じ原因によることが多いのですが、女性の場合は生理、膣炎、尿道カルンクラ(尿道良性腫瘍)などがあり、男性でも上記に加え、血精液症などによることがあります。尿路/生殖器の検査が必要です。
  • 下着に膿、黄色い分泌物がつく。
    尿路感染症によることが多いです。若い方の場合が性感染症の原因もあり、排尿痛、陰部違和感を伴うことが多いです。この場合、不妊症の原因にもなりえますので、しっかりと診断・治療することが大切です。
  • 尿潜血が陽性。
    健康診断で尿潜血陽性を指摘される方が多くいらっしゃいます。尿路性器結核、結石などが原因になることがあります。
  • 背中、わき腹が痛い。または、突然背中、わき腹が痛くなった。
    泌尿器疾患で多いのは尿管結石嵌頓です。主に側腹部から背部にわたる激痛、冷汗、悪心、嘔吐、顔面蒼白を伴います。鑑別疾患としてその他の急性腹症があり、腸の憩室炎、膵炎、胆嚢炎/胆石などがあります。慢性の腰痛の場合でも、尿管結石が原因になることがあります。その他、腎外傷、悪性腫瘍、腎盂腎炎や排尿障害による尿閉でも腰痛をきたすことがあります。
  • 尿が出にくい(排尿困難)、頻尿
    尿が出にくい原因もいくつかあります。男女ともに多いのは、膀胱炎などの尿路感染症による頻尿で、膀胱が過敏になって尿がいつも溜まっているような感覚になります。突然起こることが多いです。糖尿病、脳血管障害の既往がある方は神経因性膀胱を併発し、排尿をつかさどる神経が低下していることがあります。
    男性の原因で多いのは前立腺肥大症です。60歳前後より尿の勢いが弱く、尿切れが悪くなり、残尿感、トイレの回数が増えるようになります。進行すれば完全に尿が出なくなり、腎不全をきたすこともあります。また、前立腺がんも前立腺肥大症の症状と同じで、頻尿、排尿困難、尿勢低下や残尿感をともなうことがあります。女性の場合、婦人科疾患、大腸疾患術後に排尿をつかさどる神経に影響がでて、排尿機能が低下していることがあります。
  • トイレが近い、トイレに間に合わない。
    原因疾患として、過活動膀胱、萎縮膀胱、慢性排尿障害、前立腺肥大症/前立腺がん、膀胱炎/尿道炎などが考えられます。上記以外にも心因性、睡眠障害などによるものもあります。
  • 尿が漏れる。
    中年女性に多く見られることが多く、くしゃみなどの腹圧をかけた時に漏れる腹圧性尿失禁や突然トイレにいきたくなって、我慢しきれずに漏れてしまう切迫性尿失禁があります。
    男性の場合、前立腺肥大症の進行による尿漏れや、切迫性尿失禁がみられることがあります。その他、いろいろな原因が考えられますので、症状がある場合は泌尿器科検査が必要です。
  • 陰嚢・睾丸が痛い、腫れている。
    陰嚢が腫れて、痛い場合は精巣上体(副睾丸)炎、精巣捻転の可能性があります。前者は尿路感染によることが多く、抗生剤などの投与が必要です。後者の場合は精巣(睾丸)が捻転している状態で、持続的に痛く、緊急に捻転を解除しなければ睾丸摘出術が必要になります。
  • 勃起しにくくなった。
    勃起障害の原因として、糖尿病、血流障害、神経障害、陰茎の器質的病気や心因性のものが考えられます。基礎疾患の有無を検索、治療することが必要です。
  • PSAの値が高い。
    PSAは前立腺がんの腫瘍マーカーで、前立腺細胞に含まれている物質です。前立腺肥大症、 前立腺がんで上昇することが多いです。基準値が4.0ng/ml未満で、それ以上の値であれば積極的に精査をすることが望ましいです。また、PSA値が4.0ng/ml未満でも前立腺がんはないとは言えません。
  • 腎臓に何かあると言われた。
    健康診断の超音波検査(エコー検査)で指摘されることが多く、結石、腎のう胞、腎血管筋脂肪腫(良性腫瘍)、腎がんなどあります。いずれの場合も、精査が必要です。

4.当院の主な検査

  • 尿検査
    泌尿器科検査で、まず第一に行なう検査です。尿路感染、出血の有無など多くの尿路疾患の有無をしる手がかりになります。外来受診時、ほとんどの方にお願いします。
  • 尿細胞診検査
    主に、尿路悪性腫瘍の有無を検査するために行います。血尿/尿潜血のある方にも行います。一般尿検査と同様に、自分の尿を提出する検査です。
  • 超音波(エコー)検査
    体表に超音波の機械(プローブ)をあてることにより、腎臓・膀胱・前立腺の形態、病変の有無を確認します。腎腫瘤、尿路結石、のう胞の検索などに有効で、痛みは全くありません。
  • 膀胱内残尿測定検査
    排尿後に下腹部に特殊な機器をあてて、膀胱内の残尿量を測定します。外来で簡単に行えます。
  • 膀胱鏡検査
    主に、膀胱内(悪性)腫瘍、尿道狭窄の有無を確認します。疼痛の少ない軟性膀胱鏡で検査を行なっています。外来検査です。
  • 前立腺触診
    肛門に優しく指を挿入し、前立腺の大きさ、形、硬さ、圧痛の有無などを調べます。前立腺がん、前立腺肥大症、前立腺炎などの診断に役立ちます。
  • PSA検査
    前立腺腫瘍マーカーで、血液検査でその値を確認します。前立腺がんのときに上昇しています。基準値は4.0ng/ml未満で、それより上昇している場合は、前立腺針生検をお勧めします。また、前立腺肥大症の場合も、上昇していることが多いです。
  • 尿路造影検査
    腎臓、尿管および膀胱/尿道といった尿路の形態、排出状態などを確認する検査です。腫瘍、尿路結石の診断に役立ちます。専用の造影剤を投与します。
  • 膀胱内圧測定検査
    神経因性膀胱、前立腺肥大症などで、排尿障害がある方に行う検査です。膀胱内圧・膀胱容量を測定して、病態を把握し、治療により排尿が改善できるかどうかを判断します。
  • CT、MRI検査
    尿路結石、悪性腫瘍(腎がん、腎盂/尿管がん、前立腺がんなど)の鑑別、浸潤度の診断に極めて有効です。

5.当院で行う主な治療

  A)保存的治療
生活指導、骨盤底筋群運動、排尿指導、内服薬治療など。

  B)処置
導尿、自己導尿管理、尿道拡張、ホルモン注射、抗がん剤治療(入院/外来)など

  C)手術
① 開腹手術
腎摘除術、腎部分切除術、腎尿管摘除術、膀胱全摘術、
尿路変向術、前立腺全摘術、精巣摘除術、包茎手術、陰嚢手術、膀胱切石術など
② 経尿道的手術
経尿道的膀胱腫瘍切除術、経尿道的前立腺切除術、経尿道的尿管結石破砕術、
経尿道的膀胱結石除去術、尿道拡張術、経尿道的尿管カテーテル挿入術など
③ 腹腔鏡手術
腹腔鏡下腎摘除術、腹腔鏡下腎尿管摘除術、腹腔鏡下副腎摘除術など
④ その他
ESWL(体外衝撃波砕石術)、経皮的腎瘻造設術、経皮的腎砕石術など
※ESWL(体外衝撃波砕石術)については こちらの特設ページで詳しくご紹介しています。

6.前立腺癌 早期発見のために・・・

前立腺癌の精密検査とは具体的には前立腺生検のことです。
前立腺生検は、前立腺癌の確定診断をつけるための最重要かつ最終検査法です。
具体的には会陰(肛門と陰嚢の間)から細い針を前立腺内に刺し、組織を採取します。

入院当日に生検を行い、翌日退院となります。
簡単な流れについては以下の通りです。
① 午前中に入院
② 午後に前立腺生検
③ 生検後は尿道に管を入れ、尿の様子を観察
④ 翌日、尿の管を抜き、退院となります。

当院では検査施行に際しての鎮痛に重点を置いているため、脊髄麻酔を行っております。
その結果、生検に際し疼痛を訴える患者さんは一人もおらず、患者さんからはもっとつらい検査だと思っていたとの話をよく耳にします。

PSA検査で早期に前立腺の精密検査を施行できた場合、仮に癌が発見される場合でも多くは早期癌であり、最適な治療により根治も可能となります。

手術件数(泌尿器科全体)

病名 術式 2018年 2019年 2020年(1-6月)
尿路結石症 経尿道的尿管結石破砕術(TUL,fTUL) 135 114 45
体外衝撃波結石破砕術(ESWL) 47 38 29
経皮的腎砕石術(PNL) 1 1 0
前立腺肥大症 経尿道的前立腺切除術・核出術・蒸散術 24 6 36
膀胱癌 経尿道的膀胱腫瘍切除術 58 51 45
膀胱全摘術 回腸導管 8 3 1
尿管皮膚瘻 0 1 0
腎盂・尿管癌 腎尿管全摘術 開腹 0 2 0
腹腔鏡下 2 1 3
腎癌 根治的腎摘術 開腹 3 3 0
腹腔鏡下 11 3 1
腎部分切除術(開腹) 4 0 1
前立腺癌 前立腺全摘術(開腹) 5 3 1
精巣癌 高位精巣摘除術 0 1 2

医師紹介

医師名 役職 専門分野
江﨑 太佑 (エザキ タイスケ) 科長 泌尿器科一般
本郷 周  (ホンゴウ ヒロシ) 医員 泌尿器科一般 前立腺癌 尿路結石症
朝倉 博孝 (アサクラ ヒロタカ) 非常勤医師
大家 基嗣 (オオヤ モトツグ) 非常勤医師
小坂 威雄 (コサカ タケオ) 非常勤医師

医師詳細紹介

江﨑 太佑 (エザキ タイスケ)

科長

経歴 2008年 慶応義塾大学卒業
2008年 慶応義塾大学病院 初期臨床研修医
2010年 慶応義塾大学医学部 泌尿器科学教室
2010年 東京都立小児総合医療センター
2011年 国立病院機構 栃木病院
2012年 東京都済生会中央病院
2013年 慶応義塾大学医学部 泌尿器科学教室
2015年 さいたま市立病院
2020年 練馬総合病院
専門分野 泌尿器科一般
所属学会等 日本泌尿器科学会 専門医・指導医
日本泌尿器内視鏡学会
医師より一言 誠実な医療を心掛けます。よろしくお願いいたします。
本郷 周  (ホンゴウ ヒロシ)

医員

経歴 2009年 さいたま市立病院 初期研修医
2011年 慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
2011年 国立病院機構東京医療センター 専修医
2012年 さいたま市立病院 専修医
2013年 伊勢原協同病院 医師
2014年 慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
2015年 済生会横浜市東部病院 医師
2016年 慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
2019年 練馬総合病院 医員
専門分野 泌尿器科一般
前立腺癌
尿路結石症
所属学会等 日本泌尿器科学会
日本癌学会
日本癌治療学会
日本がん分子標的治療学会
緩和ケア研修会修了
医師より一言 患者さん一人一人に最適な治療を考えながら診療して参ります。
朝倉 博孝 (アサクラ ヒロタカ)

埼玉医科大学 泌尿器科 教授

大家 基嗣 (オオヤ モトツグ)

慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室 教授

小坂 威雄 (コサカ タケオ)

慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室 講師

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