閉塞性動脈硬化症(ASO)
~閉塞性動脈硬化症(ASO)~
●閉塞性動脈硬化症とは
正常な血管はしなやかで弾力があります。しかし、生活習慣、加齢、喫煙、ストレス等様々な要因により血管が硬く狭くなりこれを動脈硬化といいます。
動脈硬化は全身の血管に起こり、起こる場所によって様々な病気の原因となります。そして足への動脈に動脈硬化が進んで血流障害が起こす病気が閉塞性動脈硬化症です。
症状は主に歩行困難、疼痛、潰瘍、壊疽です。症状は四段階で分類します。Ⅰ度、初期は無症状もしくは冷感、しびれです。Ⅱ度、間歇性跛行という「一定の距離を歩くと足が痛くなり歩けなくなるが、しばらく休むとまた歩けるようになる」症状が現れます。Ⅲ度、安静時にも痛みが現れます。Ⅳ度、潰瘍ができ、組織が死んでしまうこともあります。
●薬物療法について(表1)
薬物療法の主な目的は①症状及び血流の改善。②血行再建術後、再び血管が狭くなるのを防ぐ為。③全身の動脈硬化による病気の予防です。
薬物療法で最も多く使われるのは、血栓(血液のかたまり)を作らないようにし、血管が詰まるのを防ぐ抗血小板薬です。他に血管を拡げ、血液を流れやすくする血管拡張薬なども使われます。
(表1)閉塞性動脈硬化症に使用される主な当院採用薬と注意点
●注意点
- 薬を飲んでいる間は出血しやすくなります。鼻や歯ぐきからの出血、あざ(内出血)、血尿や血便などの症状が出たら主治医へ相談してください。
- 手術や抜歯の際、薬を中止しなければならないことがあります。医療機関の受診時は必ず血液をさらさらにする薬を飲んでいることを伝えてください。
- 必ず医師の指示に従って服用し、自分の判断で飲むのを止めたり、薬の量や回数を変更しないでください。
●最後に
他の治療として、運動療法、そして血管内治療と外科療法による血行再建術があり、症状によって治療を選択します。
閉塞性動脈硬化症は悪化すると、最終的に足を切断しなければならないこともあり、また、他の血管疾患(心臓、脳血管疾患)を合併する可能性もあり、足の動脈だけでなく、全身的な動脈硬化対策が重要になります。
薬を服用していてなにかご不明な点がありましたら、医師又は薬剤師に相談して下さい。