糖尿病治療薬(内服薬)について
日々暖かくなり、お花見が楽しみな季節になりました。お弁当を持って散歩に出かけたく なりますね。おいしく食べたら運動をしましょう。それでも血糖値が下がらない時は? ということで今回は糖尿病の内服薬についてのお話です。
糖尿病治療の基本は食事療法です。
食事療法、運動療法で血糖のコントロールが出来ない場合には薬物療法を行いますが、 その場合でも食事療法などをきちんと行っていないと体重の増加をまねいたり薬を効果的に使うことが出来ないことがあります。
血糖値が上がる原因と内服薬の効果です。
血糖値が上がる原因は、大きく分けて2つあります。食事療法、運動療法で血糖のコントロールが出来ない場合には薬物療法を行いますが、 その場合でも食事療法などをきちんと行っていないと体重の増加をまねいたり薬を効果的に使うことが出来ないことがあります。
①インスリンの分泌量が少なくなり血糖値を十分に下げられない
②インスリン分泌量がされていても効きづらい状態(=インスリン抵抗性といわれる)になっている
内服薬にはこの2つを改善する働きがあります。
どんな薬で治療するのでしょう
薬の作用→ 薬の種類↓ |
腸でのブドウ糖の吸収を抑える | 膵臓のインスリン分泌を刺激する | 肝臓からのブドウ糖放出を抑える | インスリン抵抗性の改善 |
1.スルホニルウレア系(SU剤) | ◎ | 一部○ | ||
2.速効型インスリン分泌促進薬 | ○ | |||
3.ビグアナイド系 | ○ | ◎ | ○ | |
4.インスリン抵抗性改善薬 | ○ | ◎ | ||
5.食後過血糖改善薬 | ◎ |
経口血糖降下剤
膵臓のインスリン分泌を刺激するもの 低血糖を起こしやすいので注意が必要です
1.<スルホニルウレア系(SU剤)>
膵臓に作用してインスリン分泌を増やすことにより血糖値を下げます。
・オイグルコン ・グリミクロン ・アマリール
アマリールはインスリン抵抗性を改善する作用も持っています。
のみ始めると空腹感が増すので食事療法をきちんと行い体重が増えないように注意しましょう。
2.<速効型インスリン分泌促進薬>
膵臓に作用してインスリン分泌を増やします。服用後すぐに効果が現れ作用する時間が短いという
特徴があり、食後の高血糖を改善します。
・スターシス ・グルファスト
インスリン分泌量には影響を与えずに血糖値をさげるもの
3.<ビグアナイド系>
腸からのブドウ糖の吸収を抑えたり、肝臓が血液中にブドウ糖を送り出すのを抑える薬です。
筋肉などでブドウ糖がうまく利用されるよう手助けする働きもあります。肥満を合併している
人に処方されることが多く、低血糖を起こしにくいなどの特徴があります。副作用として
食欲不振・消化不良・下痢などが現れることがあります。
・メルビン
4.<インスリン抵抗性改善薬>
筋肉などでインスリンの効き目をよくして、ブドウ糖が細胞内に入りやすくする薬です。
血液中のブドウ糖の利用が高まり、血糖が下がります。副作用として浮腫が現れること
があるので注意してください。
・アクトス
5・食後過血糖改善薬
糖質がブドウ糖に分解されるのを抑え、腸管内での糖質の消化・吸収を遅らせる薬です。
そのため、食後の血糖値が急激に上昇するのを抑えることができます。
炭水化物が大腸で分解される為放屁(おなら)が増えたり、腹痛・下痢・便秘などの症状が
でることがあります。
・グルコバイ ・ベイスン ・セイブル
最後に
内服薬で血糖値のコントロールが良好になっても糖尿病の治療の基本を正しく実践して
いきましょう。
次回は低血糖についてのお話です。