自分でできる糖尿病の検査
自分でできる糖尿病の検査
糖尿病患者さんの約9割をしめる2型糖尿病は自覚症状がほとんどありません。糖尿病が悪化した時はトイレが近い(多尿)、喉が渇く(口渇・多飲)、急に体重が減ったといった自覚症状がでる事もありますが、痛みなどの強い症状はありません。一般的に自覚症状がない事が多いので、糖尿病と言われても治療しないでいると、気づかない間に病気が進行してしまい、糖尿病による合併症による失明や下肢の切断、心筋梗塞や脳梗塞などを招きかねません。糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病のコントロールをする上で、医療機関で受ける検査の他に自分でできる検査があります。より良い治療のために役立てましょう
BMI(Body Mass Index)とは 世界共通の肥満度の指標です。 BMI=体重(kg)/(身長(m)x身長(m))です。 標準は22です。
(例)身長170cm, 体重70kgなら BMI=70(kg)÷1.7(m)÷1.7(m)で約24.2です。 標準が22ですからやや肥満といえます。
肥満度の目安:
18.5未満 やせ
18.5~25未満 標準
25~30未満 肥満
30以上 高度肥満
1.体重測定
食事療法や運動療法がうまくいっているかを確認する為にも、体重測定は重要です。毎朝、トイレに行った後、測るようにしましょう。測るだけでなく記録をする事も重要です。毎日の体重には大きな変化はなくても、3ヶ月、半年、1年と長い期間の記録を取る事で自分のコントロールの変化を長期的に把握する事ができます。また、肥満がある方は、BMI(表)を目安に目標体重も設定しましょう。
2.血糖自己測定(SMBG:Self Monitoring of Blood Glucose)
糖尿病の指標として重要な血糖値を測る事で病状や治療状態を的確に知る事ができます。市販の血糖自己測定器で家庭でも手軽に血糖が測れます。日常生活で食事、運動や糖尿病治療薬などが血糖に与える影響がわかり、血糖コントロールにとても役立ちます。
3.尿糖検査
検査用の試験紙が市販されています。試験紙に尿をつけ、色の変化で、尿中のブドウ糖の有無をチェックします。一般的に血糖値が160~180mg/dlを超えると尿に糖が排泄されます。尿糖が陽性であれば、血糖値がこの数字よりも高かった事が示唆されます。
4.血圧測定
糖尿病患者さんは血圧の管理も重要です。家庭用血圧計を利用し、毎日の血圧も管理しましょう。糖尿病患者さんの血圧の目標値は収縮期圧/拡張期圧が130/80mmHg未満です。
このように、自分でできる検査を利用し、糖尿病をはじめとする生活習慣病の自己管理に役立てましょう。しかし、自己管理のみでは糖尿病のコントロール状態、合併症の進行度合い等の把握は不十分です。そのような事が無いように、定期的に医療機関での血液検査、生理機能検査等も受けて、症状を正しく認識し、賢く糖尿病をコントロールしましょう。