新・カテーテル室
~新・カテーテル室~
〇アンギオ装置
Infinix Celeve‐i という東芝の装置です。
今日、血管撮影システムは診断目的だけでなく、より低侵襲なインターベンションによる癌、心臓病、動脈硬化などのカテーテル治療に幅広く利用されるようになりました。この治療手技は、デジタル画像技術・IT技術が飛躍的に発達し、高画質なデジタル画像をリアルタイムで観察することができるようになったことにより実現したものといえます。
今回導入された装置は、優れた空間分解能とワイドなダイナミックレンジを持つFPDを搭載し、体の厚い部分から薄い部分までを12インチの広い視野で同時に表現することができます。また「PureBrain」と呼ばれる画像処理機能により、1画素1画素をリアルタイムに解析します。従来の装置に比べ、動きによる残像のない透視が可能です。心臓を始めとする動きの速い部位でも、被ばくを抑えつつ、ガイドワイヤーなどの細かな対象を鮮明に観察できます。こうした特性から、これまでより少ない線量で高画質な映像を得られます。
〇心臓カテーテル検査
心臓病、特に冠動脈疾患は高齢化の進展とともに年々増加し、悪性新生物に次いで第二位の死因となっています。この冠動脈疾患とは、心臓に栄養を供給する冠動脈の狭窄や閉塞によって、心筋に充分な血液が届かなくなることにより、心筋梗塞のような重篤な症状を引き起こすものです。このような心臓病の診断では、心臓の内腔、冠動脈の形態の変化・異常を観察することが必須であり、カテーテルと呼ばれる管を心臓内に進め、X線に対して不透過な薬剤を注入することによりX線の影を高速で連続撮影する方法(心臓X線撮影法)が用いられています。これと並行して、心臓の動きを機能として評価するために、カテーテルを用いて心臓内腔の圧力や心内心電図等が測定されてきました。このように心臓カテーテル検査は、心臓の形態と機能を同時に定量評価でき、最も信頼のおける検査法として国内で広く普及しています。
〇脳血管造影検査
クモ膜下出血などの原因となる動脈瘤・異常血管の検索、脳梗塞を引き起こしている閉塞・狭窄血管の検索に有用な検査です。また脳動脈瘤の破裂・再破裂を防ぐために金属コイル等を用いて瘤内の血流を遮断したり、血管の閉塞・狭窄部位に薬を流して血栓を溶解し血管を拡張する治療も行われています。
そのほか脳への外科的手術の前に詳細な血管情報を得る時や以前に外科的手術や脳血管内の治療を行ったことがある場合などの経過観察に用いられることもあります。