糖尿病と食事①
近年40歳以上の10人に1人が発病すると言われる2型糖尿病は、かかりやすい体質(遺伝)に、食べ過ぎや運動不足などの生活習慣が加わって発症します。
糖尿病とは怖い病気?
糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの量的な不足や、作用不足によって、血管の中のブドウ糖が有効に使用されずに、血糖値の高い状態が続くをいいます。初期症状としては痛くも痒くもない病気ですから、病気としての認識が薄く、つい軽く見てしまい、そのまま放置したり治療を中断したりして、気が付いた時には合併症が発症し、それに苦しむケースが多くあります。糖尿病は黙って進行するのです。
合併症は怖い!!
網膜症、腎症、神経症が糖尿病の3大合併症で、高血糖状態が放置されることにより、細い血管に障害が起こります。糖尿病網膜症は、目の網膜に異常が起こり進行すると失明します。糖尿病腎症は進行すると腎不全を起こし、血液の老廃物をろ過できずに透析療法が必要になります。糖尿病神経障害は全神経に症状が起き、手足のしびれ、痛み、こむらがえり、冷えやほてり、異常な発汗、排尿障害などが起こります。又徐々に太い血管にも障害を及ぼし、高脂血症や動脈硬化による脳梗塞、心筋梗塞、足の壊疽(進行すると足の切断)、高血圧等が引起こされます。糖尿病の怖さを知り、5年、10年先の自分の健康を見据えて血糖のコントロールを継続していくことが最も大切です。
血糖値をコントロールする3大療法は食事療法、運動療法、経口治療薬、インスリン療法ですが、どの療法でも毎日の食事が基本です。食事療法を守ることで、糖尿病のコントロールが良くなり、内服薬やインスリンの使用量を減らせることもあります。
食事療法の基本は、今までの食習慣の問題点を、簡単にできるところから少しずつ直していきましょう。
1.腹八分目(食べ過ぎない)
2.食品の種類は出来るだけ多くする(目標30品目)
3.脂肪は控えめに(肉の脂、天ぷら、フライ物)
4.食物繊維を多く含む食品を取る(野菜、海藻、きのこ類)
5.朝食、昼食、夕食を規則正しく(欠食しない、4~5時間間隔)
6.ゆっくり良くかんで食べる(一口20~30回)
次回は、自分に合った健康食を、何をどれだけ食べればよいのか、お話しましょう。
料理コーナー「えのきだけとしらたきのきんぴら」
材料:(2人分)エネルギー:75kcal 塩分:2.6g
えのきだけ 1パック(100g)
しらたき 1/2袋(100g)
にんじん 1/6本(20g)
ごま油 大さじ1/2
赤唐辛子(小口切り)少々
しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ1
作り方
①えのきだけは根元を切り落としてほぐし、にんじんは千切りにする。
②しらたきは茹でて水気を切りざく切りにする。
③鍋にごま油を熱し①、②赤唐辛子を入れ炒める
④油が回ったらしょうゆとみりんを加え、汁気がなくなるまで煮て、器に盛る