アレルギーと花粉症
~アレルギーと花粉症~
アレルギーとは、体外及び体内の異物に対して体を守ろうとする防御システム(免疫)が過剰に反応してしまう状態です。通常の防御システムは、異物(アレルゲン・抗原)に対して、武器(特異的IgE抗体)を作り異物を体内から排除します。正常な細胞や組織を傷つけないように、異物がなくなれば攻撃しなくなります。しかしアレルギーは、異物ではないものを攻撃したり、異物排除のため過剰な攻撃を仕掛けたりします。そのため、異物ばかりでなく正常な細胞や組織さえも傷つけられ、炎症やショック等の症状が発症し、場合によっては死に至る場合もあります。
■アレルギーのメカニズムと種類
一概にアレルギーといっても、過剰反応のメカニズムの違いにより五つの種類に分けられます。
■花粉症について
花粉症とは、季節によって増加する樹木や草花といった植物の花粉という異物(アレルゲン)が体内に入ることによって起こるⅠ型アレルギーで、日本では、約60種類の花粉が花粉症を引き起こすと報告されています。
花粉が眼に入れば、眼のかゆみ、涙目、充血など、鼻に入れば、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを引き起こします。そして、花粉症は季節性がはっきりしているのも特徴で、季節性アレルギー性鼻炎と呼ばれています。
一般的によく知られているスギ花粉は、毎年2月から4月頃まで花粉が飛散します。よって、5月以降は、花粉の飛散が減少するにしたがって症状も軽減していきますが、5月以降も症状が治まらない場合は、スギ以外の花粉に対するアレルギーをもっている可能性もあります。例えば、3月~5月頃はヒノキ、4月~5月頃はシラカンバ、4月~7月頃はイネ科植物(カモガヤ、ハルガヤ)、8月~10月頃は、ブタクサ、ヨモギといった植物の花粉が代表的です。
花粉症は、体質による個人差はありますが、今は平気な人でもこの先発症しないとは言い切れません。発症には、体内に取り込まれた花粉の量が関係しています。よって、子供よりも大人の方が発症しやすく、都会のように土壌が少ない地域では、風などによって空気中に多くの花粉が舞い上がってしまい、空気が澄んでいる田舎よりも発症しやすいと考えられるでしょう。
■アレルギーの検査
花粉症を含め、アレルギーの主な検査は血液検査です。アレルギーの原因となる異物は膨大にありますので、症状や年齢から疑われるアレルギーを推測します。アレルギー体質かどうかの検査は、非特異的IgE抗体検査で知ることができます。その中でも、特異的IgE抗体を調べることにより、何に対するアレルギーかを特定することが出来るのです。
花粉症と風邪の症状は大変似ているため、この時期に風邪でもないのに、鼻水、くしゃみ、特に、眼のかゆみなどの症状がありましたら、一度、アレルギーの検査を行ってみると良いでしょう。検査を希望される場合は、医師にご相談ください。気づかないうちに花粉症になっているかも知れませんよ。