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冬期に流行する感染症

 

~冬期に流行する感染症~

寒さの厳しい季節がやってきました。空気が乾燥し、気温の低くなるこの時期は、インフルエンザや、RSウイルスなどの呼吸器感染症と、ノロウイルス、ロタウイルスなどによる感染性胃腸炎など様々な感染症が流行します。
今回は、冬期に流行する感染症についてお話しします。

冬に感染症が流行する理由

1.気温と湿度

低温・低湿度を好むウイルスにとって寒く、空気が乾燥する冬は最適な環境です。空気が乾燥するとウイルスの水分が蒸発して比重が軽くなるため、空気中に浮遊して伝播しやすくなります。

2.人の免疫力の低下

寒さのため、体温が低くなり代謝機能が低下すると免疫力も低下してしまいます。また本来粘液でウイルスの侵入を防いでいる鼻やのどの粘膜が乾燥によって傷み、ウイルスの感染が起こりやすくなります。

【呼吸器感染症】

・インフルエンザウイルス
発熱(38℃以上)、頭痛、咳、咽頭痛、鼻水、筋肉痛、関節痛などを呈します。
感染した人の咳やくしゃみの飛沫に含まれる病原体を吸い込むことで感染し、通常の風邪に比べて全身症状が強いのが特徴です。

・RSウイルス
乳幼児に多く発症し、生後数週間~数か月に初感染すると肺炎などを併発し、重症化することがあります。
保育所などで施設内流行を生じやすいので注意が必要となります。

 

【感染性胃腸炎】

・ノロウイルス
生牡蠣などのノロウイルスに汚染された食物からの感染がよく知られていますが、その他に感染患者の嘔吐物や下痢便を介して感染します。
突発的な嘔吐、下痢、発熱を起こし通常3日程度で回復しますが、高齢者や乳幼児は重症化することがあります。
感染力が非常に強く、患者の嘔吐物や下痢便の適切な処理が重要です。処理の際には手袋とマスクを着用し、処理後は流水と石鹸による手洗いを施行しましょう。

・ロタウイルス

流行期は、ノロウイルスが11月から2月頃なのに対し、1月から4月にかけて流行します。
症状は、ノロウイルスに非常によく似ていますが、6か月から3歳までの乳幼児に多く感染・発症し便が白く混濁するのが特徴です。

 

検査方法

診断の補助として迅速簡易検査キットがあります。イムノクロマト法というセルロース膜上を被検体が試薬を溶解しながらゆっくり流れる性質(毛細管現象)を応用しています。
採取した検体と抽出液を混ぜた資料を滴下穴に滴下することで十数分後には、ウイルスがいるかどうかを目視で判定できる非常に簡便な検査方法です。

 

予防

自分自身がかからぬよう、また他人にうつさないようにすることが肝要です。感染予防の基本はうがいと石鹸での手洗いや、マスク着用です。

*具合が悪い時は早めに医療機関を受診しましょう。

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