練馬総合病院

練馬総合病院について

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婦人科細胞診の診断基準の変更

 

婦人科細胞診の診断基準の変更

細胞診の検査結果従来はClass分類(パパニコロウ分類)を用いて診断基準としてきましたが、臓器毎に細かく定義された判定基準が用いられるようになり、Class分類は用いられない傾向になってきています。
婦人科細胞診では、日母分類という分類方法では、Class分類(パパニコロウ分類)クラスⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅲa、Ⅲb、Ⅳ、Ⅴと表記し、クラスⅣは上皮内癌、クラスⅤは癌、と表記してきましたが、婦人科検診の診断をベセスダシステムで診断し、表記するように変わってきました。

ベセスダシステムとは

ベセスダシステムとは標本の適否、総括診断、記述的診断の3つのパートから構成されています。
子宮頸部等の病変のスクリーニング検査の報告様式で、報告結果は病変を判断し記述診断となっています。

子宮の構造は

子宮頸部は、外側から皮膚・外陰・膣と連続性に、扁平上皮細胞で構成されています。そして、子宮の入口を少し入ったところで、子宮頸部(頸管)の上皮を構成する腺細胞とぶつかり合うところがあります。
この部位の未熟な細胞が異常に増えていく状態が、子宮頸癌です。
組織型には、もとの扁平上皮が異常増殖する「扁平上皮癌」と頸部の腺細胞が増殖する「腺癌」があります。

ベセスダシステムの細胞診判定

陰性、扁平上皮系異型、腺系異型に分け表記します。 陰性は次回の定期健診
扁平上皮系異型と腺系異型の場合の対応は
① HPV検査
②六ヶ月以内の細胞診再検
③コルポスコピー
④生検等である。

HPV検査や六ヵ月後の細胞診再検の判定がASC-US(アスクユーエス、アスカス)と記載されます。
コルポスコピー、生検のときはASC-H(アスクエッチ),LSIL,HSIL,SCCや腺系異常(AGC等)と詳細に記載されています(下記表がベセスダシステムと従来の診断との対比です)。
まだ、全ての病院や検査所で表記されていませんが、順次変更されていきますので、検診結果は記述所見をよく読み、主治医の説明をお聞き下さい。
当院では記述所見をしていますが、表記は日母分類です。

日母分類とベセスダシステム2001の対応(陰性・扁平上皮系異
ベセスダシステム 日母分類 推定病変
陰性(NILM) Ⅰ・Ⅱ 非腫瘍性所見 炎症
意義不明異型扁平上皮
(ASC-US)
Ⅱ Ⅲa 軽度扁平上皮内病変疑い
高度病変が除外できない
異型扁平上皮(ASC-H)
Ⅲ Ⅲb 高度扁平上皮内病変疑い
軽度扁平上皮内病変
(LSIL)
Ⅲa 軽度異形成
高度扁平上皮内病変
(HSIL)
Ⅲa Ⅲb Ⅳ 中等度異形成 高度異形成 上皮内癌
扁平上皮癌
(SCC)
扁平上皮癌(微小浸潤癌も含む)

 

参考

子宮頸部癌は性交渉の際に粘膜についた傷からヒトパピローマウイルス(HPV)が感染し、細胞レベルで増殖し、異形成から最終的に癌になる事が解明されている病気です。
子宮頸部癌細胞から検出される確率の高いと言われている16型と18型のウィルスです。
ワクチン接種は、年齢は10歳から接種可能で一般的には約20年間の効果が期待出来るとされています。できれば、性交渉の経験のない時点で接種したいワクチンです。

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