動脈硬化の検査
血圧・脈波検査(ABI/PWV)について
血液が流れる動脈の壁は弾力があり柔軟性があります。この弾力性、柔軟性が失われた病気を動脈硬化症と言います。
動脈硬化は糖尿病、メタボリックシンドロームを含む、高脂血症、高血圧、肥満、喫煙などが原因となります。動脈硬化を放っておくと、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血、下肢閉塞性動脈硬化症による足の壊疽など、生命に関わる病気になりやすい事がわかっています。
血圧・脈波
(ABI Ankle-Brachial Index 上腕と足首の血圧比/PWV Pulse Wave Velocity 脈波伝搬速度)検査
動脈硬化症を簡便に知るために広く行なわれている検査がABI(足首と腕の血圧比)とPWV(脈波伝播速度)です。
ABIは動脈の閉塞状況(血管の詰まり具合)を調べる検査です。通常、横になった状態で足首と腕の血圧を測定すると、足首の血圧は腕に比べてやや高めに測定されます。しかし足の動脈が狭くなっていたり(狭窄)や詰まったり(閉塞)すると、足首の血圧は低下します。足首と腕の血圧比が0.9以下の場合、足の動脈の狭窄や閉塞が疑われます。
PWVは動脈の弾力性を調べる検査です。 血管壁が柔らかければ血液は適度な早さで流れますが、動脈硬化で硬くなった血管では流れる速さが増します。柔らかいホースと鉄で出来た水道管を想像してください。同じ圧力で水を流したとすると、ホースは柔軟性があって水の勢いが吸収されますが、鉄の水道管では勢いよく水が飛び出します。心臓から出た血液が足首に届くまでの時間を計測することによって診断の手助けをするのがPWVです。PWVが1300(cm/秒)を越えると動脈硬化が疑われます。
どのように検査をするのでしょうか?
検査方法はとても簡単です。ベッドに横になって両腕と両足首に血圧測定用のカフ(血圧計で腕に巻くバンド)を巻き、心電図の電極を腕に、心音図のマイクロフォンを胸に付けます。検査時間は5分程度で痛みもありません。
こうした簡易な検査で自分の血管の状態が分かれば、生活習慣を見直すきっかけにもなります。主治医、または臨床検査科にお気軽にご相談下さい。