練馬総合病院

練馬総合病院について

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れんこんの話

~れんこんの話~

皆さまは新年を迎え、年末年始をどのように過ごされましたか?
年末からクリスマスパーティーや忘年会、そして新年会へ参加された方もたくさんいらしたと思います。
お正月は、こたつに入ってみかんやお菓子を食べ、手作りのおせちで、一家団欒の時間をゆっくり過ごされた方もいらしたのではないでしょうか?

お正月料理といえば『おせち』ですが、今では手作りする家庭も減り、お取り寄せする家庭も増えてきました。  また、中華風や、フレンチ風、高級料亭の高価なおせちもあり、年々多様化しています。そのせいか、最近では、おせちで好きな食べ物アンケートを取ると、ローストビーフと答える小学生がいるそうです。時代とともに、伝統的な食文化も変わりつつあるようです。
『おせち』は、もともとお節供(おせちく)の略で暦上の節供のことを指しています。平安時代に宮中で行われていたお節供の行事に由来し、節日に神にお供えし、宴を開く宮中行事でした。江戸時代後期に江戸の庶民がこの宮中行事を生活に取り入れ始めたのがきっかけで全国的に広まりました。

おせち料理はめでたいことを重ねるという願いをこめて重箱に詰めますが、この詰め方や料理の組み合わせは、地域や家庭、しきたりなどによって様々です。
また、おせち料理に詰められる料理には、それぞれちゃんとした意味が込められており、黒豆は健康でまめに働けるように、海老は腰が曲がるまで長生きを願って、れんこんは穴が多数あるので将来の見通しがきくようにという意味の縁起かつぎがあります。今回はこのおせちやお祝い事の慶事には欠かせない野菜『れんこん』をとりあげてみたいと思います。

れんこんは常陸風土記(718年)の中に「神世に天より流れ来し水沼なり、生ふる所の蓮根、味いとことにして、甘美きこと、他所に絶れたり、この蓮を食へは早くさえて験あり」とあるように古くから薬用として食べられていました。栄養素をみてみると、約80%が水分、残り17%が炭水化物、たんぱく質約2%、灰分約1%、食物繊維約5%含まれています。この食物繊維は不溶性食物繊維で、便通を良くする他に腸内の発癌物質を排出し、大腸癌の予防や動脈硬化、高血圧を予防します。また、ビタミンCも多く含んでいて(みかんの1.5倍)、疲労回復、美肌効果、発癌抑制などの効果が期待できます。れんこんを切った時は糸を引いたり、切り口の色が変色したりしますが、糸の正体は納豆やオクラ、山芋のネバネバと同じ成分で、胃壁を保護し、たんぱく質や脂肪の消化を促進させ、滋養強壮にも効果があります。色が変色するのは、ポリフェノールの一種タンニンが含まれているからで、タンニンは消炎や止血作用があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に効果が期待できます。
このように見た目よりいろいろな効果があるため、最近では、れんこん粉末パウダーまで発売され、れんこんの栄養素の働きが注目されています。

 

料理コーナー 「れんこん入り団子鍋」

材料 【4人分】

  • 鶏ひき肉 300g
  • 片栗粉 大さじ1
  • れんこん 100g
    (粗目のみじん切り)
  • 生姜 大さじ1(みじん切り)
  • 白菜 1/4(ざく切り)
  • 春菊 1/2把(3㎝長)
  • 大根 1/3(すりおろし)
  • 柚子 1/2個(千切り)
  • 水 4カップ
  • だし昆布 10㎝
  • ポン酢しょう油

手順

  • ボールにれんこんとひき肉、生姜、片栗粉を入れ粘りが出るまで混ぜ、直径2㎝の団子状にする。
  • 鍋に水とだし昆布を入れ、煮立ったら①を入れアクを取り除く。白菜、春菊を加えてさっと煮て柚子の皮をちらす。
  • 大根おろしとポン酢しょう油でいただく。

 

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