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【リハビリ通信】腰痛とリハビリ

はじめに

腰痛は、先進諸国の国民の70%以上が生涯のいずれかの時点で経験するといわれているほど頻度が高い疾患です。非常に多くの人が悩んでいる疾患であるため、腰痛は生活習慣病の1つとも言われています。
腰痛の治療法は、腰痛の原因により異なりますが、安静、薬物療法、手術、神経ブロック、温熱療法、牽引療法、運動療法があります。ここでは腰痛の原因、運動療法(体操)、予防について連載していきたいと思います。

 

 

腰痛の原因

腰痛が起こる原因としては、「姿勢の悪さ」「激しい運動や労働」「老化によるもの」「内臓の病気」「精神的ストレス」など様々な原因が上げられます。

1. 背骨に原因する腰痛
骨折、すべり症、椎間板ヘルニアなど

2. 筋肉、靭帯に原因する腰痛
ぎっくり腰、腰部打撲、筋・筋膜炎、姿勢性腰痛など

3. 神経に原因する腰痛
パーキンソン病、脊髄腫瘍などの神経疾患によるもの

4. 内臓疾患に原因する腰痛
胃腸・すい臓・肝臓疾患、腎・尿結石、婦人科の病気、悪性腫瘍など
腰の骨や椎間板の異常の多くは、レントゲン検査やMRI検査で分かります。それ以外の腰痛は筋肉・靭帯の損傷、姿勢によるものや、内臓疾患、心の病気のサインだったりすることもあります。

 

腰痛になりやすい人

腰痛になりやすい人は、重い荷物を運んだり、中腰や立ちっぱなしで仕事をすることが多い人です。普通に立っている時より中腰では約1.5倍、腰だけ曲げて膝を曲げずに荷物を持ち上げた場合は約2.2倍腰に負担がかかると言われています(図)。また、頭よりも高い荷物や腕を伸ばして体から荷物を持つことや体をひねった状態で荷物を受け渡しすることも腰痛を引き起こしやすい動作と言えます。
力仕事だけではなく、1日中デスクワークの人や長時間車を運転しているドライバーも腰痛にかかりやすい人です。座っている姿勢は立ったときより約1.4倍腰に負担がかかります。長時間同じ姿勢をとることによって継続的に負荷がかかり、腰を支える筋肉が疲労し固くなってしまい血液循環も悪くなり、痛みを出す物質が産生され腰痛が症状として表れます。


直立を100とした場合の椎間板内圧

 

腰痛の応急処置

ぎっくり腰など急性腰痛は日常もっとも一般的で高い頻度で発生し、激しい痛みで動けなくなることがあります。その場合、どう対処したらいいでしょうか。 安静をとることが第1です。膝を曲げて寝ると痛みは軽減します(セミファーラー肢位)。また、起きるときは体を横向きにしてから起き上がるようにすると腰への負担は少なくなります。歩くときは少し前かがみの姿勢で歩くと良いでしょう。

2~3日ベッドで安静にしていれば痛みは和らぎます。炎症が治まっていれば温めるといいでしょう。4日以上の安静はかえって筋力や体力が低下してしまうため、我慢できるかぎりの範囲で日常生活を行い、痛みが減らずしびれなどの症状がある場合は整形外科に受診することをお勧めします。

次号は腰痛の運動療法(体操)について解説します。

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