治験審査委員会のご案内
治験とは
薬剤の候補物質は動物実験で体への影響、効果の出る量や使い方、胎児や遺伝子への影響など安全性に関する試験が行なわれます。この段階をクリアした薬剤の候補は、人で安全性や有効性を調べる臨床試験の対象となります。これを「治験」といい、厚生労働省から新しい薬を製造販売するための承認申請に必要となります。
治験薬承認の遅れ
日本では、新たな薬物が開発されてから、治療薬として実際に患者さんの診療に使用できるようになるまでの時間差や遅延(ドラッグ・ラグ)が問題となっています。すなわち海外で既に使用されている多くの薬剤が、国内では使用できません。その原因のひとつに治験審査の遅れがあります。
当院での取り組み
治験を実施するにあたり、製薬会社、病院、医師は「薬事法」に基づいて国が定めたGCP省令(臨床試験の実施の基準に関する省令)を遵守する必要があります。GCP省令では治験の倫理性、安全性、科学的妥当性を医師や薬剤師などの専門家のほか、一般人も含めた治験審査委員会で検討することが義務づけられています。
練馬総合病院では体制を整え2006年より治験を実施しております。また多くのクリニックでは治験審査委員会開催が困難なため当院では他施設の治験審査も引き受けております。治験薬承認への迅速化に微力ですが貢献しています。
治験参加へのお願い
医師が治験に参加して頂けるかお伺いすることがあります。治験の目的や方法、治験薬について概略を説明し、医師、治験コーディネーターが文書をもとに十分な説明を致します。患者さんは説明をよくお聞きになり、手渡された説明文書を良くお読み下さい。また、判らないことがあったら、遠慮なく質問して下さい。その上で、治験へ参加するか否かをお決め下さい。その際の判断は、ご自分の自由な意思でお決め下さい。治験への参加をお断りになっても、不利益は一切ありません。また、一旦参加を決めた後でも、いつでも参加を取りやめることができます。