練馬総合病院

練馬総合病院について

練馬総合病院について

令和3年度 公益財団法人東京都医療保健協会 練馬総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

<全項目共通定義>
集計対象: 2021年4月1日~2022年3月31の1年間の退院患者が対象です。
入院後24時間以内死亡、自費診療・労災・自賠等の医科保険以外の保険を使用した患者は対象外です。
厚生労働省「令和4年度の病院情報の公表の集計条件等について」に従い、患者数が10人未満の場合は「-」と表記します。集計期間内に同一患者が複数回入退院した場合、延べ数とします。

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 10 31 231 344 451 584 655 1190 1102 527

<解説>

本データは、当院を2021年4月~2022年3月までに退院した患者を、年齢階級別で分けたものです。
コロナ禍ではありますが昨年度より退院患者数が増えており地域医療を担う中核的病院として医療を提供しております。
最も多いのは70歳台の患者さんで、入院患者の約4分の1を占めています。2番目に多いのは80歳台、3番目に多いのは60歳台と続きます。
練馬区の65歳以上の高齢者人口は2022年1月1日現在16万人を超えており、今後もさらに高齢化が進んでいくと考えられます。
当院は現在も60歳台以上の患者が入院患者の約7割を占めており、高齢者の受入体制を構築できています。
例えば、入院中のリハビリテーションはもちろん、地域連携室にて、転院あるいは施設のご紹介、自宅へ戻るための在宅医療のご紹介等、退院支援を実施しています。
なお、当院には小児科の入院施設がないため、9歳以下の入院患者が極端に少ないですが、
外来・救急診療においては小児の診察、予防接種等も実施しています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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<定義>
診断群分類:診断群分類とは、患者の病名と提供した医療行為等の組み合わせにより、様々な状態の患者を分類するものです。
DPCコード:上記診断群分類を表す符号です。
転院率とは、同じDPCコードに分類される全患者のうち、診療所や他の病院に転院した患者の割合です。

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 181 2.12 2.65 0.00% 65.07
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 処置2なし 65 33.00 20.57 16.92% 87.83
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く) 処置2_1あり 47 12.36 14.41 2.13% 72.47
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 46 23.28 13.14 4.35% 80.85
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石,胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 処置2なし 定義副傷病なし 42 8.24 9.21 4.76% 75.38
<解説>
1位はポリープ等の大腸の良性疾患の切除術による入院でした。なお、定義には小腸の良性疾患も含まれていますが、当院では大腸の良性疾患の切除のみ行っています。誤嚥性肺炎、糖尿病、尿路感染症、胆管結石・胆管炎と続き、内科系疾患に幅広く対応しています。肺炎治療では、患者の状態に応じ、呼吸器疾患を専門とする医師を中心に多職種で構成した呼吸器ケアチームが回診しています。腎臓または尿路の感染症は泌尿器科と、大腸のポリープ等で外科的治療が必要な場合は外科と連携し、診察・治療しています。胆管結石・胆管炎による入院では、内視鏡的に結石を除去したり、胆汁を排出する道を作ったりすることで治療を行います。糖尿病治療ではインスリンなどの薬物療法や食事・運動療法を実施しています。また、血糖コントロールや糖尿病教育をする1週間の糖尿病教育入院も行っています。全体的に平均在院日数は全国平均と同程度ですが、転院を要することがある誤嚥性肺炎や腎臓・尿路の感染症では、調整に時間がかかることもあり、やや長いです。

 

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 心臓カテーテル法による諸検査を伴うもの 66 3.17 3.06 0.00% 73.55
050130xx9900xx 心不全 手術なし 64 21.73 17.35 3.13% 83.83
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 処置なしまたは心臓カテーテル法による諸検査等を伴うもの 63 3.60 4.36 0.00% 73.21
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 心臓カテーテル法による諸検査と血管内超音波検査等を伴うもの 40 3.15 3.27 0.00% 76.18
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 31 26.77 20.57 6.45% 87.03
<解説>
循環器内科では心臓や血管に関する疾患を含め多岐にわたって診療を行っています。中でも、狭心症と心不全の入院が多く上位を占めています。狭心症では内服治療か血行再建をするかを評価するため、心不全ではその要因を探るため、心臓疾患の評価のための標準的な検査である心臓カテーテル検査を実施することが多いです。検査結果に応じて、経皮的冠動脈形成術等の血行を再建する手術をすることもあります。狭心症の診断および治療のための検査入院は平均3日、心不全治療のための入院は20日前後です。平均在院日数は全国平均と同程度ですが、心不全では、症例によってはADLや栄養状態の回復や転院調整に時間がかかることもありやや長い場合もあります。
また、循環器疾患に限らず、ジェネラリストとして幅広い診療に心がけています。

 

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 215 2.62 2.65 0.00% 68.57
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 80 2.23 4.74 0.00% 68.24
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 処置1なし 処置2なし 定義副傷病なし 49 6.43 7.11 0.00% 55.90
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 37 5.25 5.40 0.00% 37.27
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 34 8.15 7.70 0.00% 67.15
<解説>
1位は大腸ポリープ等の小腸大腸の良性疾患の切除術の為の入院です。下部消化管内視鏡検査にて大腸ポリープが診断された場合、患者から同意を得られている時には同時にポリープを切除し、安全確保の為一泊入院することがあります。また、当日内視鏡的治療ができない患者は、後日再度内視鏡を用いて切除します。2位は鼠径ヘルニアに対する手術の為の入院です。0泊、一泊等の短期間入院によるヘルニア根治術や腹腔鏡下ヘルニア根治術に対応しています。3位は胆のう炎や胆嚢結石症に対する、腹腔鏡を用いた手術の為の入院です。胆石症に併発した総胆管結石を有する患者の場合は、内視鏡治療により総胆管結石を採石後に、手術をする場合があります。4位は急性虫垂炎に対する手術の為の入院です。治療には腹腔鏡を用いた手術や抗生剤による治療があり、炎症の強さなど患者の状態によって判断します。腹腔鏡下手術は開腹術に比べ手術創が小さく、術後の痛みも少なく回復が早い事が特徴です。5位は大腸憩室の炎症や出血の治療の為の入院です。大腸憩室は良性疾患ではありますが、大腸憩室炎が悪化すると大腸穿孔、腹膜炎を併発し、手術が必要となる場合があります。また、大腸憩室出血が高度の場合、貧血が進行しショック状態となり、輸血が必要となる場合もあります。
当院の平均在院日数は全国平均と比べ、同程度または短期間での入院です。また、転院は0%であり、自宅や入院元へ退院します。入退院支援を積極的に行っています。当院では外科的疾患に対する標準的治療はクリニカルパスを使用する場合が多いため平均在院日数が短いことが特徴の一つです。

 

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩,股等 121 36.21 25.32 39.67% 86.14
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む) 腰部骨盤,不安定椎 脊椎固定術,椎弓切除術,椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む) 前方椎体固定等 処置2なし 53 18.51 20.31 0.00% 73.92
160780xx97xx0x 手関節周辺の骨折・脱臼 手術あり 定義副傷病なし 28 3.89 4.23 0.00% 53.36
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む) 膝人工関節置換術等 27 36.96 23.02 7.41% 74.96
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり 定義副傷病なし 24 4.58 5.99 0.00% 45.63
<解説>
整形外科では一般的な外傷による骨折や、骨粗鬆症に伴う股関節・大腿骨骨折の治療の他、膝や脊椎背髄の専門医による治療を多く行っております。また、科の特色としてスポーツ外来や脊椎診療の専門外来も行っており、入院患者数は増加の傾向にあります。(2021年度685人、2020年度633人)
2021年度は股関節・大腿骨の骨折が一番多い症例となっています。折れた骨を正常な位置に戻しプレートまたは髄内釘で固定する「大腿骨骨折観血的手術」および折れた骨頭を人工の骨頭に置換させる「人工骨頭挿入術」の為の入院です。
2位は椎間板の変性でおきる腰部脊柱管狭窄症や腰椎変性すべり症といった脊椎背髄疾患の手術の為の入院です。多くは「後方椎体固定術」といって、腰椎の後方から椎間板を取り除き、そこに自家骨や人工骨と挿入する手術を行っています。
3位は手関節周辺の骨折に対する骨折観血的手術の為の入院です。
4位は変形膝関節症による人工関節手術の為の入院です。両側同時に手術を行った症例も5例ありました。
5位は転倒などによる外傷によって起こる鎖骨骨折の治療の為の入院です。骨癒合が見られれば抜釘術も行っています。
1位で転院率が高いですが、要因として平均年齢が高く、自宅へ戻る前に回復期リハビリテーション病院で治療する患者が多い為です。また、平均在院日数が全国平均より長くなっていますが、これはリハビリテーション病院のベッドが空くまでの転院待ち、退院後の状態に合わせた自宅の改修、装具の作成等に時間がかかる為です。2021年度は上記に加えてコロナ禍により退院後の受け入れ先の対応が困難となっており平均在院日数が延長する事態になっています。
※整形外科は労災や事故による入院も多く受け入れていますがここではDPCデータという条件付きの集計値を掲載しているため、除外されています。その為、実際の入院数とは異なります。

 

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx04xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 161 1.04 2.59 0.00% 52.71
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 処置1なし 定義副傷病なし 121 3.71 5.56 0.00% 59.64
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 処置1あり 69 2.00 2.50 0.00% 69.39
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病なし 61 3.25 7.16 0.00% 67.79
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 59 6.54 8.23 0.00% 72.58
<解説>
1位、2位は尿路結石の手術のための入院です。1位はESWLと呼ばれる手術です。体外から結石に向けて衝撃波を照射し、結石を細かく破砕する治療法です。2位はTULと呼ばれる手術です。尿道から内視鏡を挿入し、腎臓や尿管にできた結石をレーザー等で破砕し摘出します。尿路結石症の件数が多いことは当院泌尿器科の特徴です。
3位は前立腺針生検のための入院で、前立腺癌の確定診断のための検査です。結果により手術や薬物療法など、その後の治療方針を決めるために必要な検査であり、患者数が多くなっています。
4位は尿管狭窄に対し、尿管ステント留置術や尿管拡張術のための入院です。尿道から内視鏡を挿入し、尿路結石や腫瘍などにより狭窄している尿管を拡張し、尿の通過障害を改善させるための入院です。
5位は前立腺肥大症の手術のための入院です。当院では2021年より新しい治療である接触式レーザー前立腺蒸散術が常時施行可能となっています。従来の前立腺肥大症手術と同等の効果を得られ、より安全性の高い低侵襲手術が可能となっています。
当院泌尿器科では、いずれも平均在院日数が全国平均よりも短く、ESWLでは日帰り手術にも対応しています。

 

産婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍(子宮筋腫等に対する腹腔鏡下子宮全摘術等) 203 6.03 6.04 0.00% 45.97
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍(皮様のう腫等に対する腹腔鏡下卵巣部分切除術等) 67 5.22 6.11 0.00% 42.93
120100xx01xxxx 子宮内膜症(子宮内膜症性のう胞に対する腹腔鏡下卵巣のう腫切除術等、子宮腺筋症に対する腹腔鏡下子宮全摘術) 47 5.66 7.20 0.00% 36.45
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 (帝王切開術) 33 9.73 9.39 0.00% 35.27
120090xx97xxxx 骨盤臓器脱 手術あり 23 6.04 8.31 0.00% 70.65
<解説>
1位は子宮筋腫等を除去するために腹部に小さな穴を開け、腹腔鏡を入れて中の様子を確認しながら、子宮を全摘出する手術の為の入院です。子宮筋腫の大きさや数・場所によっては開腹手術をすることもあります。患者数は2020年度(149名)に比べて増加しています。2位は卵巣良性腫瘍に対する、卵巣の一部を切除する手術の為の入院です。いずれも平均在院日数は全国平均と比べて短く、早期に退院しています。こちらも2020年度(46名)に比べて患者数が増加しています。3位は子宮内膜症の手術による入院です。子宮内膜症は、子宮内膜が子宮以外の場所で発育・増殖する病気で、月経痛・下腹痛等の症状があります。
自然分娩はDPC対象外であるため、上記集計には含まれませんが2021年度の当院の分娩患者数は232件(2020年度195件)と、周産期の入院も多く受け入れております。4位の「胎児及び胎児付属物の異常 帝王切開術」とは、主に帝王切開で出産した患者です。5位は骨盤臓器脱と言って子宮、膀胱、直腸などの骨盤内の臓器を支える組織が緩み、それらが骨盤内から脱出することで違和感や排尿のトラブルが生じる病気に対して、手術する為の入院です。当院では2020年10月1日に腹腔鏡下仙骨膣固定術の施設基準を届け出ており、以降多くの患者さんの手術を実施しています。

 

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 処置1なし 40 11.23 13.07 2.50% 66.25
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 37 8.00 9.22 0.00% 71.03
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 21 3.19 6.18 0.00% 56.67
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚,皮下腫瘍摘出術(露出部)等 処置1なし 4.01
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 処置2なし 7.68
<解説>
1位は膿皮症の治療の為の入院です。膿皮症は主に細菌の感染で皮膚が化膿してしまう疾患の総称です。2位は帯状疱疹の治療のための入院です。帯状疱疹は皮膚症状だけでなく、発熱や頭痛を伴うことがあります。抗菌薬の内服や外用、点滴で治療します。1、2位の症例ともに、外来治療もしますが、症状が強い場合は入院治療します。
3位はその他の新生物、4位は良性新生物の切除の為の入院です。新生物とは、皮膚や皮下組織にできた腫瘍や腫瘤等のことです。また、5位は皮膚悪性腫瘍切除術となっており、当院は皮膚の悪性腫瘍に対する手術にも対応しています。
当院皮膚科では、在院日数がいずれも全国平均在院日数よりも短く、外来手術症例にも対応しています。

 

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障,水晶体の疾患 手術あり 片眼 200 1.48 2.71 0.50% 75.48
020110xx97xxx1 白内障,水晶体の疾患 手術あり 両眼 53 4.58 4.83 0.00% 76.55
020110xx99xxxx 白内障,水晶体の疾患 手術なし 2.61

<解説>
コロナ禍により患者数の減少が続いておりましたが、2021年度は地域病院としての機能を回復しコロナ禍前の水準に戻る事が出来ました。
(2020年度白内障手術あり入院患者数 209名 2021年度 253名)
白内障に対する水晶体再建術による入院がほとんどを占めます。手術は局所麻酔で、短時間で済むため、患者の希望により日帰りまたは1泊2日の入院としています。日帰りの場合、手術日翌日に眼科外来を受診していただきます。1泊2日の場合、入院当日に手術し、翌日退院となります。また、希望により3泊4日、4泊5日で両眼行うことも可能です。高齢・全身疾患のある患者には、入院をお勧めしています。平均在院日数は全国平均より短く、早期に退院しています。

 

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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<定義>
胃癌・乳癌・肺癌は治療前、大腸癌・肝癌は術後もしくは治療前の情報をもとに病期分類します。
Stage「0」は集計対象外です。Stage 0とは、癌細胞が粘膜内(上皮細胞内)に留まっている場合です。

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 12 11 1 8
大腸癌 13 21 22 27 1 8
乳癌 13 14 1 8
肺癌 1 8
肝癌 1 8

※ 1:UICC病期分類,2:癌取り扱い規約

<解説>
当院の特徴:患者数が10人未満の場合は、「-」と表記していますが、当院では5大癌すべての治療を行っています。2021年度の5大癌の疾患別症例数は、胃癌44件(24%)、大腸癌94件(52%)、乳癌32件(18%)、肺癌7件(4%)、肝癌3件(2%)、計181件です。大腸癌が最も多く、当院での5大癌症例のうち半数を占めており、次いで胃癌です。病期分類別症例数は、StageⅠ38件、StageⅡ41件、StageⅢ33件、StageⅣ42件、Stage不明11件、再発15件です。2020年度のStageⅡ32件に比べ、2021年度のStageⅡの患者数が増えています。練馬区癌検診や企業検診、人間ドックなど、一次検診や二次検診を積極的に行い、早期診断・早期治療は年々増加しています。
当院では2021年度、下部消化管内視鏡検査を1691件実施し、大腸癌の早期診断・治療につなげております。病期別の治療は、StageⅠでは内視鏡を用いた切除、StageⅡ、IIIでは腹腔鏡下手術や開腹手術での外科的根治手術、すでに多臓器転移を伴うStage IVであっても化学療法や外科的手術を積極的に行い、患者のQOLを高めています。
当院の特徴は地域に根ざした病院であり高齢者の割合が多く占めています。大腸癌一次検診である便潜血検査で陽性者には二次検診である大腸ファイバー検査の重要性を地域に広めてまいりました。また地域医療機関と連携を強化し、便潜血陽性患者さんを積極的に受け入れてきました。一定の頻度で大腸ポリープが診断され、積極的に治療を実施しています。一方、2018年から練馬区胃癌検診(内視鏡検査)が導入され、区内の病院や診療所48施設で実施されています。当院は年間通じて416件の内視鏡検査を実施しました。今後も5大癌の検診、治療を積極的に行います。

用語の説明:「5大癌」とは、現在、日本で発症数が多い5つの癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)です。
「病期分類」とは、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節転移の有無と拡がり、③遠隔転移の有無の3つの要素によって、癌の進行度(Stage)を分類したものです。
StageⅠは、癌の浸潤(広がり)が筋肉の層までで留まり、リンパ節転移がないものです。
StageⅡは、リンパ節転移はないが、筋肉の層を超えて浸潤しているものです。
StageⅢは、癌が浸潤し、リンパ節転移もみられるものです。
StageⅣは、癌の原発部位を超えて、離れた他の臓器へ転移しているものです。

「初発」とは、自施設において、当該腫瘍の診断、診断と初回治療、あるいは初回治療を実施した場合です。
「再発」とは、自施設・他施設を問わずに初回治療が終了した後、再度、自施設で患者を診療した場合や、治療がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合です。初回治療後に当院に入院診療・治療する患者も含みます。
「不明」とは、病期分類を定できない場合です。治療前の検査入院中に検査結果が出なかった場合等です。

 

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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<定義>
市中肺炎:病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎のことです。 院内での発症は含みません。
重症度:年齢・性別や血液中の酸素濃度、脱水症状の有無、意識障害の有無、収縮期血圧等の身体所見に基づき、厚生労働省「令和4年度病院情報の公表の集計条件等について」の重症度分類に従って分類します。
なお、2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、当集計についても18歳以上の患者を対象としています。

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 23 22.35 79.35
重症
超重症
不明

<解説>
2020年度に比べ中等症患者は前年度と同等ですが、重症患者は10人未満と患者数が減少しています(前年度参考:中等症23件、重症12件)。公表対象外ですが、軽症・超重症患者も受け入れています。
また、平均在院日数が長くなっており、基礎疾患がある方や年齢が上がるにつれて重症化しやすく、在院日数が長くなる傾向があります。
当院は呼吸器疾患を専門分野とする医師のもと、患者の状態に応じ呼吸器ケアチームが連携して治療する体制があります。
また、発熱外来やPCR検査を設けるなど、COVID-19感染を疑う患者も含め、肺炎患者の受診・入院体制を強化しています。

脳梗塞の患者数等

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<定義>
ICD10:疾病及び関連保健問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)と呼ばれる疾病の分類です。異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較するため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成しています。※1。

集計対象:2021年4月1日~2022年3月31日の1年間の退院患者のうち、最も医療資源を投入した傷病名のICD10をI63$に分類した患者が対象です。
入院後24時間以内死亡・自費診療・労災・自賠等の医科保険以外の保険を使用した患者は対象外です。
厚生労働省「令和4年度の病院情報の公表の集計条件等について」に従い、患者数が10人未満の場合は「-」と表記します。
集計期間内に同一患者が複数回入退院した場合、延べ数とします。

※1厚生労働省ホームページ 統計情報・白書>各種統計調査結果>統計情報をご利用の方へ> 「疾病、傷害及び死因の統計分類」より引用

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 38 32.26 75.24 55.00%
その他 10 33.10 75.80 50.00%

<解説>
脳梗塞発症後3日以内の患者が多い傾向は変わりません。また、その他とは発症後3日以上経過した患者です。当院の脳梗塞の入院患者のうち約7割は救急搬送による入院です。
内科と脳神経外科が連携して診察・治療しています。また、2020年9月から脳卒中に対するt-PA療法を開始し、脳の急性期疾患の診療体制を強化しています。当院での治療により症状が落ち着いた後、運動障害等を克服する目的で、リハビリテーション病院へ転院することもあります。

 

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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<定義>
1回の入院中の最も手技料が高い手術を対象として集計します。術前日数とは、入院から手術日までの日数、術後日数は手術日から退院日までの日数ですが、いずれも手術当日は含みません。転院率とは、同じ手術をした全患者のうち、診療所やほかの病院に転院した患者の割合です。

外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 203 0.25 1.30 0.00% 68.87
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 51 0.98 4.61 0.00% 55.43
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 43 0.19 1.05 0.00% 65.33
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 39 1.82 7.41 61.54% 81.72
K6335 鼠径ヘルニア手術 38 0.11 1.37 0.00% 72.08

<解説>
最も多く行った手術は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術でした。上部、下部を合わせて、年間約5000件の内視鏡検査を行っています。下部消化管内視鏡検査で大腸ポリープが見つかった場合は、患者の了解を得て、引き続き、ポリープを切除します。
2位は胆嚢結石症や胆嚢炎の治療を目的とした手術、3位、5位は鼠径ヘルニア(3位は腹腔鏡下手術、5位は従来の前方アプローチ)の治療を目的とした手術でした。4位は内視鏡下胃瘻造設術でした。脳梗塞の後遺症等の理由により、嚥下困難となった患者に対し、体外から胃の中に直接栄養剤を流し込むために内視鏡を用いて腹部に小さな穴を開ける手術です。近隣の地域連携医療機関から内視鏡的胃瘻造設の依頼件数は増加傾向です。
当院は腹腔鏡下手術に注力しています。胆石症、虫垂炎、大腸癌、胃癌、ヘルニアに対する手術は、術前検査により腹腔鏡手術の適応を判断しています。腹腔鏡下手術は開腹手術と比較して手術侵襲が小さいため、術後の痛みが少なく、回復が早いなどの特徴があります。術後、早期に離床し、食事摂取開始時期は早く、術後早期退院を目指すことが可能です。また、術後の傷も目立ちません。炎症の程度や癌の進行など、病状により従来の開腹手術が有用な場合があり、事前にカンファレンスにて充分検討します。また、標準的な治療に対しては従来からクリニカルパスを使用し、術後の平均在院日数は短期間です。腹腔鏡下手術は、先に述べたように利点の多い治療ですが、安全に施行するためには技術が必要です。当院では経験豊富な医師が担当し、手術中に腹腔鏡下手術が困難であると判断した場合には、安全性を優先し、速やかに開腹手術に移行します。


整形外科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿、上腕、肩甲骨) 91 3.29 29.74 36.26% 84.13
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 62 2.55 16.73 4.84% 72.77
K0811 人工骨頭挿入術(股) 52 6.67 30.92 32.69% 84.33
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 40 2.43 13.03 0.00% 69.18
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿、前腕) 33 1.21 3.82 3.03% 56.67

<解説>
2021年度最も多く行った手術は折れた骨を正常な位置に戻しプレートまたは髄内釘で固定する「骨折観血的手術」でした。
部位は大腿が最も多く、次いで上腕、まれに肩甲骨です。骨折観血的手術は同じ手術でも複数の部位が含まれているため、在院日数や転院率にばらつきがあります。
2位と4位は脊椎手術です。2位の後方椎体固定術は腰椎の後方から椎間板を取り除き、そこに自家骨や人工骨を挿入する手術を行っています。部位は腰椎が多くをしめています。4位の椎弓形成術は圧迫された神経を開放する手術です。頚椎・腰椎共に手術を行っております。2021年度より脊椎背髄の専門医が入職した事により多くの脊椎背髄手術が行えるようになりました。
3位は人工骨頭挿入術(股)です。折れた骨頭を人工の骨頭に入れ替える方法です。人工骨頭挿入術(股)のほとんどは大腿骨頚部骨折であり、高齢の患者さんが転倒して骨折し、救急車で来院されることが多いです。
5位は骨内異物除去術で、下腿22件、前腕11件、計33件でした。骨折等の治療のために体内に入れていた金属等を取り除く手術です。
当院は、大腿骨頚部骨折の患者さんが当院退院後もリハビリテーションを継続し、日常生活動作を向上するために、地域のリハビリテーション病院と連携し、地域連携パスを運用しています。そのため、平均年齢と転院率が高くなっています。

 

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 163 0.07 0.02 0.00% 52.61
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 121 0.91 2.08 0.00% 60.59
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 84 0.54 2.48 0.00% 74.17
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) 56 1.20 4.55 0.00% 72.73
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 51 1.27 3.82 0.00% 75.33

<解説>
最も多く行った手術は、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)でした。2位は経尿道的尿路結石除去術(TUL)です。どちらも尿路結石に対する治療です。2020年度に比べ受け入れが増加しました。ESWLは体外から結石に向けて衝撃波を照射し、結石を細かく破砕する治療です。TULは内視鏡を尿道から挿入し、結石を破砕し摘出する手術です。ESWLよりも治療の確実性は高いですが、全身麻酔または腰椎麻酔下で行う手術の為、ESWLに比べて在院日数は長くなります。どちらの治療法が適しているかは、結石の位置や大きさから判断し、決定します。尿路結石症の手術数が多いことは、当院泌尿器科の特徴です。
3位は経尿道的尿管ステント留置術でした。内視鏡を尿道から尿管へ挿入し、尿管の通過障害に対する治療です。腎機能障害や感染症、疼痛の改善等を目的とするため、緊急で施行することも多い手術です。
4位の経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(CVP)は前立腺肥大症に対する手術です。内視鏡を尿道から挿入し、前立腺組織へレーザーを照射し、前立腺を蒸散させながら切除し、尿道を広げ尿の通過障害を改善させる治療です。従来の前立腺肥大症に対する手術よりも出血が少なく、安全性が高い治療です。当院でも2021年より導入し、常時施行が可能です。
5位の膀胱悪性腫瘍手術は膀胱癌に対する手術です。尿道から膀胱へ内視鏡を挿入し、腫瘍を電気メスで切除する手術です。当院は腎臓や尿管、前立腺の悪性腫瘍の手術も行っており、腹腔鏡下手術にも対応しています。


産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 171

1.16

3.91 0.00% 49.25
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 107 1.01 3.40 0.00% 39.35
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 61 1.00 4.03 0.00% 37.46
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 36 1.50 7.75 0.00% 34.94
K865-2 腹腔鏡下仙骨腟固定術 23 1.00 4.13 0.00% 70.96

<解説>
婦人科の手術件数は近年増加傾向にあります。(2019年度婦人科手術件数 328件  2020年度 418件  2021年度499件)
当科ではほとんどの婦人科良性疾患に対して腹腔鏡手術を適応する事が可能です。
上位3位は全て腹腔鏡による手術です。腹腔鏡手術は開腹手術に侵襲が少なく、患者の負担が小さいので、入院期間が短いという利点があります。また、腹腔鏡手術はお腹を開く必要がないことから、腸管が外気にさらされることがなく、術後癒着は皆無で腸閉塞などの術後合併症が発生する率が低いとされています。
4位には産科の手術が入っています。「帝王切開術(選択帝王切開)」は最初から帝王切開と決めて手術した件数です。帝王切開の既往のある患者や児頭骨盤不均衡、骨盤位の患者の場合に行います。なお、上記を含め、2021年度は232件(2020年度195件)の出産に対応しました。
5位は腹腔鏡下仙骨腟固定術です。以前は脱出する臓器や損傷した骨盤支持組織に応じて開腹による仙骨腟固定術や、腟式子宮全摘手術 など多様な術式が選択されてきました。しかし近年、術後疼痛が軽く、早期離床による日常復帰が期待できる腹腔鏡下仙骨腟固定術が学会の推奨する診療ガイドラインに収載されました。当院では2020年10月1日に腹腔鏡下仙骨膣固定術の施設基準を届け出ており、以降多くの患者さんの手術を実施しています。手術時間が短く術後再発が少ない為、患者さんに好評です。

 

皮膚科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) 13

1.54

3.85 0.00% 57.77
K0021 デブリードマン(100cm2未満) 11 1.91 13.00 9.09% 60.36
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)
K0061 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満)
K0022 デブリードマン(100cm2以上3000cm2未満)

<解説>
皮膚腫瘍の手術が1位、3位、4位でした。1位、4位は良性腫瘍に対する手術です。露出部以外とは、頭部・頚部・上肢について肘関節以下・下肢について膝関節以下を除く部位を指します。3位は皮膚癌等の悪性腫瘍に対する手術です。皮膚腫瘍の手術は日帰り手術も可能ですが、腫瘍の部位や大きさによって安静が必要と判断される場合には入院で行うこともあります。また、当院では植皮による再建術が必要となる比較的大きな手術も行っています。
デブリードマンが2位、5位でした。外傷や皮下膿瘍、褥瘡(床ずれ)等に対し、メスや専用器具を用いて壊死組織や感染組織を除去、創をきれいにするための手術です。また、褥瘡は自身で身体を動かすことが困難な患者が多く、転院率がやや高くなっています。

 

眼科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 250 0.02 1.11 0.00% 75.72
K279 硝子体切除術

<解説>
コロナ禍により患者数の減少が続いておりましたが、2021年度は地域病院としての機能を回復しコロナ禍前の水準に戻る事が出来ました。
(2020年度、水晶体再建術手術患者数 209名 2021年度 253名)
最も多い手術は、白内障に対する水晶体再建術です。白内障とは眼の中のレンズの役割をする水晶体が濁り、視界が白っぽくかすみ、視力が低下する病気です。加齢に伴い、発生率が高くなります。放置すると失明するおそれがあります。発症すると手術をする以外に治す手段はありません。手術は局所麻酔で、短時間で済むので、患者の希望により片眼の場合は日帰り、または1泊2日の入院としています。3泊4日、4泊5日で両眼行うことも可能です。

内科


Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 182 0.66 2.80 0.55% 65.79
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 28 2.11 15.46 7.14% 79.64
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみ) 23 0.70 7.57 8.70% 71.83
K533-2 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 10 2.10 6.20 0.00% 56.70
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上)

<解説>
内科では内視鏡を用いた治療を重点的に行っています。最も多い手術は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術です。当院内視鏡センターでは、上部・下部を合わせ年間約5000件の内視鏡検査を実施しています。下部消化管内視鏡検査で大腸ポリープが見つかった場合は、患者の了承を得て、引き続きポリープを切除します。高齢患者が多く、安全確保のため1泊入院することがあります。
2位の胆道ステント留置術は、胆管結石などによって胆管が閉塞した場合に、その閉塞を解除するために胆道の狭窄部分にステントチューブを設置し、胆汁の流れをよくする治療法です。3位の内視鏡的乳頭切開術とは、総胆管結石など胆汁の流れを妨げるものを、膵液と胆汁の出口(乳頭部)を切開(拡張)し取り出す為に行う治療です。4位の内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術は、内視鏡で静脈瘤にゴムバンドをかけて血流を遮断し、壊死させる治療法です。肝硬変などにより起こる食道静脈瘤に対して行われます。

循環器内科

 

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術
(その他)
50 1.30 1.72 0.00% 73.20
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 19 3.53 6.63 5.26% 84.89
K5463 経皮的冠動脈形成術
(その他)
14 1.86 1.71 0.00% 75.07
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術
(不安定狭心症)
10 1.00 20.80 0.00% 73.00
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 10 4.50 9.40 0.00% 86.90

<解説>
最も手術数が多いのは心筋梗塞や狭心症など虚血性心疾患に対する心臓カテーテル治療(経皮的冠動脈ステント留置術・経皮的冠動脈形成術)です。経皮的冠動脈ステント留置術はステントがついたバルーンを腕の血管から心臓の冠動脈まで進め、狭窄部位をバルーンで拡張し、ステントを留置する方法です。経皮的冠動脈形成術はステントがないバルーンで狭窄部位を拡張し修復する方法です。2位は四肢の血管拡張術・血栓除去術です。手あるいは足の血管の狭窄に対し、指の先の方の動脈まで拡張して血流を確保するカテーテル治療です。足の血管が詰まって足の冷えや歩行時の痛み、ひいては壊疽に繋がる下肢閉塞性動脈硬化症などの疾患に対し行う治療です。当院では、これらのカテーテル治療に、365日24時間対応しています。4位のペースメーカー移植術は、めまいや失神などの症状を起こす徐脈性不整脈に対して行う治療です。ペースメーカーを体内に植え込み、心筋に電気刺激を与えることで脈拍をコントロールし、心拍数を保ちます。

 

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる 25 0.49%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる

<定義>

当院を2021年4月1日~2022年3月31日までに退院した患者のうち、最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群(DPC6桁 130100)、敗血症(DPC6桁 180010)、その他の真菌症(DPC6桁 180035)、手術・術後の合併症(DPC6桁 180040)に分類された患者の、全退院患者数に対する割合を示します。入院の契機となった病名と入院中の主な治療目的の病名が同一の場合と、異なる場合に分けて集計しています。

 

<解説>

播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症は、入院契機病名(DPC6桁 レベル)の同一性の有無を区別して症例数と発生率を示したものです。「同一性」とは、入院の契機である疾患と入院中の主な治療目的の疾患(DPC病名)が同一か否かということです。

播種性血管内凝固症候群は、さまざまな重症の基礎疾患により、全身の血管内で血栓ができる病態です。敗血症は細菌が血液中に増殖することにより全身に炎症を起こす病気です。肺炎や尿路感染症、腹膜炎、悪性腫瘍などが原因になります。

手術・処置などの合併症には、術後の創部感染や出血、縫合不全などがあります。一定の確率で起こり得るものであり、完全になくすことはできませんが、起こり得る合併症に関しては、事前に十分に説明し、発症が最小限になるように努めています。

当院は、敗血症の内訳として別の病気で入院後に敗血症を発症した数(異なる)が25件となっていますが、元々尿路感染症や肺炎などの感染症で入院し、入院後に敗血症をきたした患者さんが多くを占めました。

 

更新履歴

2022.9.30

令和3年度 練馬総合病院 病院情報を公表しました。

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